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2026年6月16日
6月8日(月)、持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)と国際文化都市・京都が抱えるオーバーツーリズムをテーマにしたパネルディスカッション「日本のオーバーツーリズム―京都からの教訓」を開催しました。
同イベントには、パネリストとして京都市観光協会マーケティング責任者・堀江卓矢氏、フォトジャーナリストでツアーガイドの中島里佳氏のほか、本学グローバル観光学科の原一樹教授、五嶋俊彦教授が登壇。また現在、本学に来学中のieiMedia Kyoto Projectディレクターで米国・州立サンフランシスコ大学のラチェル・カニゲル教授に進行を担当していただきました。また、通訳は本学の「LinguaLink」(翻訳・通訳人材バンク)に登録している学生らが務めました。
堀江氏は「一律の人数制限は問題を複雑化させる恐れがある。そうではなく、外部の業者が参入する前に、京都市民が観光ビジネスの主役として自ら稼ぎ、恩恵を実感できる仕組みづくりが不可欠」と、通訳ガイドとその経済効果を例に未来の展望を話しました。
原教授は「いいね」をもらいたいSNS社会の構造から生じるマナー違反について解説。「京都観光の本質は、日本文化という他者性の消費にあり、外国人観光客は目に見えない行動規範や美意識が流れる京都に試されている。単なる消費から、他者理解と自己変容の実験としての観光へ変容させるための教育が重要」と、課題と施策について提言しました。
五嶋教授はイタリア・ベネツィアやオランダ・アムステルダムと京都を比較し、「京都の課題は、外国人観光客の祇園・嵐山など一部地域への集中にある。厳格な規制よりも、マナーの周知徹底、時間・場所の分散化、そして地域への敬意を育む教育的アプローチが必要」と、マナー啓発と観光地の分散について話しました。
中島氏は「単なる分散化で終わらせず、京都の職人や伝統芸能、地元商店街など地域の魅力の再発見につなげるべき。僧侶との対話や職人との交流といった外国人旅行者が求める本物の体験が、地域への理解とリスペクトが生まれるのでは」と、京都観光の可能性拡大につながるアイデアについて言及しました。
質疑応答では、出席したieiMediaの学生から「外国人観光客の観光マナーの啓発について」や「京都に住むシニア世代と若い世代でオーバーツーリズムに対する意識の差はあるか」など、持続可能な観光について意見が交わされました。
今回のパネルディスカッションは、オーバーツーリズムという世界共通の課題に対し、京都という地域に根ざした具体的な処方箋を模索する貴重な機会となりました。登壇者それぞれの専門的な知見から、単なる混雑緩和にとどまらず、観光客と地域住民が互いにリスペクトし合える「持続可能な観光」のあり方が示されました。
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