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2025年11月4日
ランゲージセンター主催ハロウィン特別企画として、地方独立行政法人りんくう総合医療センター 健康管理センター長・国際医療広報センター長の南谷かおり先生をお招きし、コミュニティ通訳特別講義「多言語・多文化の医療現場で働くということ~“わかる”ことが命を支える~」を開催しました。
南谷氏はまず、増加する訪日・在留外国人の現状を概説した後、医療現場における外国人受け入れ体制の課題について詳細に説明。多くの病院で受け入れ実績がある一方で、体制整備が追い付いていない実態を指摘し、未収金問題への対策や、厚生労働省による多言語マニュアル公表など、国を挙げた整備強化の動きを紹介されました。
特に大阪府では、外国人患者受け入れ地域拠点機関を府内38箇所で選定し、多言語問診票などを公開する「おおさかメディカルネット」を立ち上げるなど、先進的な取り組みが進められています。南谷氏は、真の医療通訳とは、単なる言語変換に留まらず、文化・宗教・習慣の違いを理解し、医療従事者と患者間の良好な関係性を築く「異文化コミュニケーション」であると強く訴えられました。
日本には医療通訳の国家資格がない現状と、認定資格の存在に言及。医療通訳は「シナリオ無しのぶっつけ本番」であり、高度な知識と多文化理解、そして高い倫理観が求められることについて述べました。
さらに、医療現場で安易に使用されがちな「にわか通訳(Ad hoc interpreter)」や「機械通訳」による通訳内容の危うさが発生することについても説明。にわか通訳による専門用語知識欠如や精神的負担、機械翻訳による誤訳、話者の意図を汲めないといった、重大なリスクを伴うことを具体的な事例を挙げて説明され、プロの通訳者の必要性を強調されました。
また、多文化対応の具体例として、以下の文化の違いが紹介され、異文化理解の重要性が深く認識されました。
- 痛みの価値観: 痛みを我慢する日本と、痛みを取り除くのが当然の欧米の医療文化の差。
- 出産文化: 日本の「お腹の痛みを乗り越えて出産する」ことを良しとする価値観による普通分娩が通常的あることに対し、ブラジル・中国では帝王切開が多い。
- 宗教・習慣: イスラム教徒のラマダン中の対応、豚・アルコールの禁忌、礼拝や男性医師の診察拒否(女性患者)への配慮。
将来通訳をめざす学生らから活発な質問が寄せられました。学生たちは、実際に自身が外国人観光客の救急搬送時に感じた外国人患者の受け入れに対する疑問や、医療通訳者の責任範囲について質問するなど、関心の深さを示しました。
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