2024年5月23日
5月18日(土)から6月16日(日)までの期間、堺市で企画展「堺から世界に響け『君死にたまふことなかれ』」が開催されます。
与謝野晶子(1878年-1942年)は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の詩人であり、近代日本詩の先駆者の一人です。彼女の詩は感情豊かでありながらも、叙情的な美しさを持ち、多くの読者に愛されています。その代表作である「君死にたまふことなかれ」は、彼女の平和に対する期待や反戦思想が凝縮された名詩です。
本企画展では、本学外国語学部ブラジルポルトガル語学科のフェリッペ・モッタ講師が「君死にたまふことなかれ」のポルトガル語訳を提供しました。
「いうまでもないことですが、晶子のこの詩は知名度が高く、古典的な名作です。その翻訳に挑むのは初め躊躇がありましたが、ポルトガル語を母語とする読者にも作者の平和に対する願望を届けたいと思い、挑戦してみることにしました。念頭にはウクライナ戦争のこともありましたし、今はガザ地区の情勢のこともあります。この作品は戦争の虚しさを見事に描いており、日露戦争当時の反戦風潮を吐露させているテーマ性がよく注目されますが、実は技巧的にも優れているところが重要です。翻訳するにあたり、なるべく原文の本意を残しつつ、ポルトガル語の詩として成立するように努めました」(モッタ講師より)
企画展については『さかい利晶の杜』HPをご参照ください。
なお、「君死にたまふことなかれ」の原文およびポルトガル語訳は、ブラジルポルトガル語学科ブログに記載しています。
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