2023年12月15日
2023年12月3日(日)、今年度で退職する外国語学部ロシア語学科林田理惠教授の最終講義「ヒト・ことば・文化・紛争 – Quo Vadis?」が、日本ロシア語教育学会第3回研究集会の基調講演を兼ねて行われました。会場の452教室(本学4号館)は、本学教職員と在学生、学会員、関西一円および遠方から駆けつけた林田教授の教え子たちで埋まりました。
林田教授は、1979年に上智大学ロシア語学科卒業し、1981年に大阪市立大学経済学部卒業後、1986年にモスクワ留学を経て神戸市外国語大学大学院で修士号、2006年に博士号を取得。1986年に大阪外国語大学助手に着任、2004年から同大学教授、2007年からは同大学と統合した大阪大学大学院言語文化研究科教授として活躍され、2020年に退職(名誉教授)。さらに同年開設された本学ロシア語学科の学科長として着任、同学科の立ち上げと発展のために尽力されました。
言語学が専門の林田教授の大きな功績は、日本におけるロシア語教育学の確立にあります。特に、2000年に日本ロシア語教育研究会(現在の日本ロシア語教育学会)を発足させ、初代代表としてロシア語教育の実践と研究に携わる人々とともに様々な活動を展開したことは、日本のロシア語教育法の発展を促しました。本学ロシア語学科においても、先進的な教育法の導入に熱意をもって取り組んでこられました。
出口の見えない戦争や紛争が続く中での最終講義は、ことばの役割とは何か、グローバル化した世界のメンテナンス機構を私たちは創り出すことができるのか、という大きな問いを投げかける内容でした。正解のないその問いはまた、ことばの先にある広大な地平に目を向けさせるものです。花束贈呈も行われ、会場には温かい拍手が長く響きました。
会場には多くの関係者と教え子たちが集まりました
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