2011年6月28日
6月24日、スペイン語学科ナショナル・ウィークの一環として、「日本におけるスペイン語フォーラム」が開催されました。
円卓会議1では、報告者に大森洋子氏(明治学院大学)、上田博人氏(東京大学)、村上陽子氏(関西学院大学)、アントニオ・ルイス・ティノコ氏(上智大学)を迎え、「日本におけるスペイン語学習の動機について」報告がなされ、円卓会議2では、野谷文昭氏(東京大学)の司会で三好準之助氏(京都産業大学)、清水憲男氏(早稲田大学)、福嶌教隆氏(神戸外国語大学)、J. J. Armas Marcelo氏(作家)から「スペイン語圏新文法へのバルガス=リョサの影響」をテーマとした報告がありました。
フォーラムの掉尾を飾る記念講演では、「緑の家」「チボの狂宴」など中南米の社会を舞台にした小説で知られ、2010年にノーベル文学賞を受賞したペルー出身の作家、マリオ・バルガス=リョサ氏が「スペイン語圏のスペイン語統一のための共同作業の歴史」と題して講演し、スペイン語が様々な国や地域で使われている結果、用語や発音が常に変化し続け、南米の作家にも大きな影響を与えていることを指摘し、スペイン語の多様性について「異なる人種や文化で幅広く使われる誇り高い言語」と語りました。フォーラムは学生、教員ら約200名が参加し、すべてスペイン語で行われました。また、講演終了後、スペイン語学科3年次生の薄木理恵さんから感謝を込めて、リョサ氏の作品の一節の暗唱朗読が披露された後、リョサ氏へ花束が贈られました。
フォーラムの後、マリオ・バルガス=リョサ氏に対して、長年にわたり作家として活躍し、優れた作品で読者を魅了したこと、スペイン王立アカデミー会員として、国際語としてのスペイン語普及に尽力したこと、日本とスペイン語圏の友好親善ならびに学術・文化交流の発展に貢献したことを理由に京都外国語大学名誉博士号がバルガス=リョサ氏に授与されました。
Page top