2022/04/27 10:30:00 展示資料紹介 その⑤
展覧会
西村
ここのところの雨模様で、なかなか気持ちが上がりませんが、みなさんは雨の日をどのように楽しんでおられますでしょうか?
こんにちは! 資料館の西村です。
今回は、台湾南部の山間部に住まうパイワン族についてご紹介したいと思います。
パイワン族は、木彫や染織に優れ、祖先を重んじ、百歩蛇(ひゃっぽだ)の伝説で知られています。
資料館では前回ご紹介したヤミ族の資料についで、パイワン族の資料が多くみられます。
彼らが信仰する百歩蛇は、少し前にニュースでも名前が出たことがありましたが、噛まれると百歩歩くうちに死ぬといわれるほどの猛毒を持つ蛇です。体部に上から見ると菱形の美しい模様があります。
ところで、パイワン族の人々がすむ家は、石造りで、屋根は板状の石を重ねて張っています。
この屋根の張り方は、百歩蛇の鱗の重なりから発想したものと考えられています。生活用具の様々な部分に、百歩蛇の体の模様を図案化したり、そのものを彫り込んだりしています。
写真①は、プンティ村の一場面。右端に見えるのが住まいです。石造りで、薄い板状の石で屋根が張られています。地下には、家族のお墓があったりします。
写真②は、展示中の櫛です。祖先信仰がある民族ですので、大きく精霊が彫り込まれていますが、櫛の周辺には菱形の連続文様が彫り込まれていますが、これは百歩蛇を上から見た時の模様を図案化したものです。
写真③は、今回展示していませんが、木製の匙で、持ち手のところがまさに百歩蛇!
櫛は髪をすくときに、匙は食物を体に入れるときに、祖先や百歩蛇の守りを体内に取り入れ、それぞれへの感謝を常に感じているのでしょう。
今回は、前回に引き続き、台湾の資料をご紹介しました。
次回もお楽しみに!
こんにちは! 資料館の西村です。
今回は、台湾南部の山間部に住まうパイワン族についてご紹介したいと思います。
パイワン族は、木彫や染織に優れ、祖先を重んじ、百歩蛇(ひゃっぽだ)の伝説で知られています。
資料館では前回ご紹介したヤミ族の資料についで、パイワン族の資料が多くみられます。
彼らが信仰する百歩蛇は、少し前にニュースでも名前が出たことがありましたが、噛まれると百歩歩くうちに死ぬといわれるほどの猛毒を持つ蛇です。体部に上から見ると菱形の美しい模様があります。
ところで、パイワン族の人々がすむ家は、石造りで、屋根は板状の石を重ねて張っています。
この屋根の張り方は、百歩蛇の鱗の重なりから発想したものと考えられています。生活用具の様々な部分に、百歩蛇の体の模様を図案化したり、そのものを彫り込んだりしています。
写真①は、プンティ村の一場面。右端に見えるのが住まいです。石造りで、薄い板状の石で屋根が張られています。地下には、家族のお墓があったりします。
写真②は、展示中の櫛です。祖先信仰がある民族ですので、大きく精霊が彫り込まれていますが、櫛の周辺には菱形の連続文様が彫り込まれていますが、これは百歩蛇を上から見た時の模様を図案化したものです。
写真③は、今回展示していませんが、木製の匙で、持ち手のところがまさに百歩蛇!
櫛は髪をすくときに、匙は食物を体に入れるときに、祖先や百歩蛇の守りを体内に取り入れ、それぞれへの感謝を常に感じているのでしょう。
今回は、前回に引き続き、台湾の資料をご紹介しました。
次回もお楽しみに!
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写真① パイワン族 プンティ村
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写真② 櫛
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写真③ 木製匙
2022/04/25 11:20:00 展示資料紹介 その④
展覧会
西村
こんにちは!
年々、よい季節がどんどん短くなっているように感じる西村です。
もうすこしゆっくり季節が移り変わってほしいものです。
さて、展示資料紹介の4回目は、台湾のヤミ族をご紹介します。
ヤミ族という名称は日本人の鳥居龍蔵が名付けたものとされています。本来はタオ族といいます。「タオ」とは「人」という意味だそうです。
今回の展覧会では、宮武の記述に従って、ヤミ族と表記します。
台湾本島の南東に、蘭嶼(ランユィ)という孤島がありますが、ここに住まう民族です。
現在台湾では16の原住民族が認められていて、台湾本島に住まう原住民族は首狩りの習俗がありましたが、このヤミ族だけは、首狩りをしていなかった民族です。
今回の展覧会では展示できませんでしたが、資料館は、このヤミ族が使う2~3人乗りの「タタラ」と呼ばれる舟を収蔵しています。ここでは、その模型と、舟に彩色をしているところの写真をご紹介します。
宮武は、ヤミ族の舟について、自著「世界原始藝術図集」の別冊「世界に原始芸術を探る」の中で、次のように解説しています。
「…舟の外側には、精細を極めた彫刻が、白、黒、朱の三彩で立派に施されてあるが、ママオグと呼ぶ怪奇な人像が手をつないで居る連続文様が横にずっと並んで居て、その上部と下部には三角形の模様が細々と横に連なって居る。又舳と艫の部分には「マタ・ノ・タタラ」―つまり「舟の眼」と称するものが刻まれてある。」
また、舟の構造についても次のように述べています。
「…元来原始人の舟はその殆どが大木を刳って造ったカヌーであるが、このヤミ族の舟は立派に龍骨を基礎として約八つの部分を組み合わせている。」
現在、この島へは台頭から飛行機や船で行くことができるようです。
西村も一度訪れてみたいところの一つです。
次回は同じく台湾のパイワン族についてご紹介しようと思います。
どうぞお楽しみに!
年々、よい季節がどんどん短くなっているように感じる西村です。
もうすこしゆっくり季節が移り変わってほしいものです。
さて、展示資料紹介の4回目は、台湾のヤミ族をご紹介します。
ヤミ族という名称は日本人の鳥居龍蔵が名付けたものとされています。本来はタオ族といいます。「タオ」とは「人」という意味だそうです。
今回の展覧会では、宮武の記述に従って、ヤミ族と表記します。
台湾本島の南東に、蘭嶼(ランユィ)という孤島がありますが、ここに住まう民族です。
現在台湾では16の原住民族が認められていて、台湾本島に住まう原住民族は首狩りの習俗がありましたが、このヤミ族だけは、首狩りをしていなかった民族です。
今回の展覧会では展示できませんでしたが、資料館は、このヤミ族が使う2~3人乗りの「タタラ」と呼ばれる舟を収蔵しています。ここでは、その模型と、舟に彩色をしているところの写真をご紹介します。
宮武は、ヤミ族の舟について、自著「世界原始藝術図集」の別冊「世界に原始芸術を探る」の中で、次のように解説しています。
「…舟の外側には、精細を極めた彫刻が、白、黒、朱の三彩で立派に施されてあるが、ママオグと呼ぶ怪奇な人像が手をつないで居る連続文様が横にずっと並んで居て、その上部と下部には三角形の模様が細々と横に連なって居る。又舳と艫の部分には「マタ・ノ・タタラ」―つまり「舟の眼」と称するものが刻まれてある。」
また、舟の構造についても次のように述べています。
「…元来原始人の舟はその殆どが大木を刳って造ったカヌーであるが、このヤミ族の舟は立派に龍骨を基礎として約八つの部分を組み合わせている。」
現在、この島へは台頭から飛行機や船で行くことができるようです。
西村も一度訪れてみたいところの一つです。
次回は同じく台湾のパイワン族についてご紹介しようと思います。
どうぞお楽しみに!
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ヤミ族の舟
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舟の彩色
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舟の模型
2022/04/23 15:30:00 展示資料紹介 その③
展覧会
西村
寝違えには葛根湯が効くといわれ、疑いしかありませんでしたが、飲んでみたら劇的に回復した西村です。
こんにちは!
みなさんも寝違えにはご注意ください。
さて、今日は、展示資料のうち、インドネシアの伝統舞踊ワヤン・トペンで使われる仮面をご紹介します。トペンとは仮面のこと。
これらの舞踊劇は、ジャワだけでなくバリにもあって、使われる仮面が異なります。資料館が収蔵するワヤン・トペンの仮面はジャワのものです。
インドネシアに古くから伝わる叙事詩「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」を演じる際に仮面をつけていたようです。
また、この劇には会話はないそうです。
多くの役があって、それに合わせた様々な仮面があります。
写真①は「悪魔」を現す仮面です。
赤と金泥を用いて彩色されています。
大きく開いた口と、牙、大きな目が特徴的です。
写真②は「貴人」を現す仮面です。
気品が感じられる表情と緑、金泥、黒で彩色されているのが特徴です。
仮面は角度を変えてみると、表情が変わって見えます。
見る人の心の持ちようでも違って見えます。
それが、仮面のもつ魅力ではないか、と西村は思います。
みなさんには、これらの仮面はどのように見えましたでしょうか。
それでは、また次回お楽しみに!
こんにちは!
みなさんも寝違えにはご注意ください。
さて、今日は、展示資料のうち、インドネシアの伝統舞踊ワヤン・トペンで使われる仮面をご紹介します。トペンとは仮面のこと。
これらの舞踊劇は、ジャワだけでなくバリにもあって、使われる仮面が異なります。資料館が収蔵するワヤン・トペンの仮面はジャワのものです。
インドネシアに古くから伝わる叙事詩「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」を演じる際に仮面をつけていたようです。
また、この劇には会話はないそうです。
多くの役があって、それに合わせた様々な仮面があります。
写真①は「悪魔」を現す仮面です。
赤と金泥を用いて彩色されています。
大きく開いた口と、牙、大きな目が特徴的です。
写真②は「貴人」を現す仮面です。
気品が感じられる表情と緑、金泥、黒で彩色されているのが特徴です。
仮面は角度を変えてみると、表情が変わって見えます。
見る人の心の持ちようでも違って見えます。
それが、仮面のもつ魅力ではないか、と西村は思います。
みなさんには、これらの仮面はどのように見えましたでしょうか。
それでは、また次回お楽しみに!
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写真① 悪魔
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写真② 貴人
2022/04/22 11:20:00 展示資料紹介 その②
展覧会
西村
お昼時、おなかがいっぱいになってもならなくても春眠・・・の言い訳をしたい西村です。
こんにちは!
さて、今日も展示資料を一つ紹介したいと思います。
この写真は、インドネシア・ジャワ島で撮影されたものです。
ワヤンと呼ばれる伝統的な影絵劇の一コマで、真ん中にダランと呼ばれる人形遣いがいて、一人でこれら数百枚ある影絵人形を操ります。影絵ではありますが、水牛の皮を用いた影絵人形には美しい彩色がなされています。
ところで、ワヤンというのは「影」という意味があります。写真は、影絵劇ですが、ワヤンには木製の板上の人形を用いたものや、人間が仮面をつけて舞う舞踊もあります。
いろいろな形で、物語が紡がれ、のちの世代へと伝えられていきます。次回は、ワヤンの舞踊劇に使われた仮面をご紹介したいと思います。
お楽しみに!!
こんにちは!
さて、今日も展示資料を一つ紹介したいと思います。
この写真は、インドネシア・ジャワ島で撮影されたものです。
ワヤンと呼ばれる伝統的な影絵劇の一コマで、真ん中にダランと呼ばれる人形遣いがいて、一人でこれら数百枚ある影絵人形を操ります。影絵ではありますが、水牛の皮を用いた影絵人形には美しい彩色がなされています。
ところで、ワヤンというのは「影」という意味があります。写真は、影絵劇ですが、ワヤンには木製の板上の人形を用いたものや、人間が仮面をつけて舞う舞踊もあります。
いろいろな形で、物語が紡がれ、のちの世代へと伝えられていきます。次回は、ワヤンの舞踊劇に使われた仮面をご紹介したいと思います。
お楽しみに!!
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ワヤンのダラン(人形遣い)
2022/04/21 13:40:00 展示資料紹介 その①
展覧会
西村
今日は、雨が降り始めてから、少し肌寒くなりました。
春とはいえ、いや、春だからこそ体調管理には気をつけましょう。
こんにちは!国際文化資料館の西村です。
昨日からこっそり公開中の資料館ですが、今日は展示資料の中からいくつか紹介してみたいと思います。
1枚目は、宮武辰夫がフィリピンを訪れた時に撮影した集合写真を用いて本展覧会のポスターにしたものです。
白く浮かびあがっているのが宮武辰夫氏。周辺を取り囲んでいるのは、フィリピン・スルー諸島に住まうモロ族の人々です。モロ族は、勇猛で知られていますが、この写真からは、はにかみながらも穏やかな表情が見受けられます。
このように宮武は、さまざまな部族の人々と交流をしながら、資料を収集しました。
2枚目は、インドネシア・トライヤ(トラジャ)族の竹製石灰入れです。インドネシアだけでなく、フィリピンの各島々、台湾などの人々は、檳榔樹の実に石灰を混ぜて噛む習慣があり、口のあたりが真っ赤に染まるそうです。日常的に使う道具の一つですが、大変細かな文様が丁寧に彫り込まれています。手のひらサイズで、上部に開けるためのひもがついた小さな栓がついています。
身の回りにある植物を上手に利用し、必要な道具を作成し、祈りや願いを文様として込める。決して特別なものではありませんが、ぬくもりの感じられる道具の一つです。
今回の展示では、様々な道具を展示しています。
これからも少しずつご紹介していきますね。
どうぞ、お楽しみに!!
春とはいえ、いや、春だからこそ体調管理には気をつけましょう。
こんにちは!国際文化資料館の西村です。
昨日からこっそり公開中の資料館ですが、今日は展示資料の中からいくつか紹介してみたいと思います。
1枚目は、宮武辰夫がフィリピンを訪れた時に撮影した集合写真を用いて本展覧会のポスターにしたものです。
白く浮かびあがっているのが宮武辰夫氏。周辺を取り囲んでいるのは、フィリピン・スルー諸島に住まうモロ族の人々です。モロ族は、勇猛で知られていますが、この写真からは、はにかみながらも穏やかな表情が見受けられます。
このように宮武は、さまざまな部族の人々と交流をしながら、資料を収集しました。
2枚目は、インドネシア・トライヤ(トラジャ)族の竹製石灰入れです。インドネシアだけでなく、フィリピンの各島々、台湾などの人々は、檳榔樹の実に石灰を混ぜて噛む習慣があり、口のあたりが真っ赤に染まるそうです。日常的に使う道具の一つですが、大変細かな文様が丁寧に彫り込まれています。手のひらサイズで、上部に開けるためのひもがついた小さな栓がついています。
身の回りにある植物を上手に利用し、必要な道具を作成し、祈りや願いを文様として込める。決して特別なものではありませんが、ぬくもりの感じられる道具の一つです。
今回の展示では、様々な道具を展示しています。
これからも少しずつご紹介していきますね。
どうぞ、お楽しみに!!
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本展覧会のポスター
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トライヤ族の石灰入れ






