2022/09/08 07:50:00 中米調査に参加して~その1
お知らせ
杉岡明日香
こんにちは。杉岡明日香です。
京都外国語大学のスペイン語学科を2019年に卒業し、今年4月から同志社大学大学院の総合政策科学研究科博士前期課程に所属しています。
学部生の頃に、ニカラグアにあるティエラブランカ村での「考古学調査×ミュージアムづくり」を行うプロジェクトに2度参加させていただきました。村の人たちにとって、村にミュージアムをつくるということがどういった意味をもつのかを考えること、研究することにつながりました。
私が研究の対象にしているミュージアムは、村の人々が自分たちの村の課題を自分たちで解決するミュージアム(コミュニティ・ミュージアムとよんでいる)です。村の人たちが自身や家族の暮らしをより快適なものにするには、コミュニティ・ミュージアムが有効ではないのかと私は考えています。
まず、今回最初の調査地は、エルサルバドルです。
私にとってエルサルバドルは初訪問の国でしたが、2つの遺跡を見学できました。そして、現地で活動されている方々とお話ができ、とても充実した初訪問となりました。中米エリアとしては今回で3回目の訪問でしたが、外の風景を眺めているだけでも、それぞれの国にそれぞれの生活風景があることがわかっておもしろかったです。
エルサルバドルの現地で発掘調査を行なっている名古屋大学の伊藤伸幸先生や、コミュニティ・ミュージアム活動を行なっている文化省文化自然遺産局とのお話しで印象的だったことは、コミュニティ・ミュージアムづくりを実践している地域内に、協同組合があるということです。
私がニカラグアをフィールドとした研究を進めていくなかで、今までは国を超えたコミュニティ・ミュージアムの比較は行なっていませんでした。そのため、コミュニティ・ミュージアムは、地域の人々が「みんな同じ立ち位置から」ミュージアムづくりを実現するという見方のみでしたが、エルサルバドルの調査を通して、地域の人々と一口にいっても、各々の役割分担やバックグラウンドがあるということに気付かされました。
エルサルバドルでの調査を終えて、改めてコミュニティ・ミュージアムは奥が深いなぁと感じました。
ところで私は、中米の食文化、「豆(フリホーレス)事情」が気になっています。エルサルバドルでは、ペースト状にしたものが食べられているようでした。中米の豆は、日本にあるようでないような、ちょうどいい塩加減で調理されていて、私はとても好きなんです〜。
次は、ニカラグアでの調査について報告します。豆報告も!お楽しみに。
京都外国語大学のスペイン語学科を2019年に卒業し、今年4月から同志社大学大学院の総合政策科学研究科博士前期課程に所属しています。
学部生の頃に、ニカラグアにあるティエラブランカ村での「考古学調査×ミュージアムづくり」を行うプロジェクトに2度参加させていただきました。村の人たちにとって、村にミュージアムをつくるということがどういった意味をもつのかを考えること、研究することにつながりました。
私が研究の対象にしているミュージアムは、村の人々が自分たちの村の課題を自分たちで解決するミュージアム(コミュニティ・ミュージアムとよんでいる)です。村の人たちが自身や家族の暮らしをより快適なものにするには、コミュニティ・ミュージアムが有効ではないのかと私は考えています。
まず、今回最初の調査地は、エルサルバドルです。
私にとってエルサルバドルは初訪問の国でしたが、2つの遺跡を見学できました。そして、現地で活動されている方々とお話ができ、とても充実した初訪問となりました。中米エリアとしては今回で3回目の訪問でしたが、外の風景を眺めているだけでも、それぞれの国にそれぞれの生活風景があることがわかっておもしろかったです。
エルサルバドルの現地で発掘調査を行なっている名古屋大学の伊藤伸幸先生や、コミュニティ・ミュージアム活動を行なっている文化省文化自然遺産局とのお話しで印象的だったことは、コミュニティ・ミュージアムづくりを実践している地域内に、協同組合があるということです。
私がニカラグアをフィールドとした研究を進めていくなかで、今までは国を超えたコミュニティ・ミュージアムの比較は行なっていませんでした。そのため、コミュニティ・ミュージアムは、地域の人々が「みんな同じ立ち位置から」ミュージアムづくりを実現するという見方のみでしたが、エルサルバドルの調査を通して、地域の人々と一口にいっても、各々の役割分担やバックグラウンドがあるということに気付かされました。
エルサルバドルでの調査を終えて、改めてコミュニティ・ミュージアムは奥が深いなぁと感じました。
ところで私は、中米の食文化、「豆(フリホーレス)事情」が気になっています。エルサルバドルでは、ペースト状にしたものが食べられているようでした。中米の豆は、日本にあるようでないような、ちょうどいい塩加減で調理されていて、私はとても好きなんです〜。
次は、ニカラグアでの調査について報告します。豆報告も!お楽しみに。
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写真1:カサブランカ遺跡公園内にある遺跡博物館。藍染工房もあり、藍染のワークショップが行われています。
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写真2:ジャガーを表現している石像。あんまり威圧感はなくて、かわいいですよね?
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写真3:お皿の奥に見えているのが、すりつぶした豆(フリホーレス)です。朝ごはんにいただきました。おいしかったです〜。
2022/09/01 21:00:00 ニカラグア北部山中マティグアスへ~プロジェクト・マティグアス再開に向けて~
お知らせ
南 博史
みなさん!こんにちわ~、こんばんわ~
私たちは、8月28日日曜エルサルバドルからニカラグアへ移動しました。早速、月曜から今回の調査のメインの一つである北部山中のマティグアスへ向かいました。
マタガルパ県マティグアス市は2012年にはじめて訪問し、2013年から開始した考古学と博物館を仲介者とした実践的調査研究(プロジェクト・マティグアス)のベースの町です。発掘調査を実施してきたラスベガス遺跡は、ここから凸凹道をおおよそ30分さらに山奥にはいったティエラブランカ村の近くにあります。
おおよそ3年ぶりにこの町や村を訪れ、お世話になった方々とも再会しました。お互いにコロナ禍の健康を確かめたりして、なんだか故郷に帰ってきたような気持ちになりました。町や村の子供たちにとっては初めてみたいなところもあって、久々に注目を浴びましたが(笑)。
村はあらたな課題に直面していました。近年の大雨で近くを流れるシクレ川が氾濫し、しばしば洪水被害がでているようです(今回、渡河できず遺跡には行けずでした)。また、コロナ禍、村の人口も減ったとのこと(活動拠点である村の小学校先生のお話では、米国を含め海外へ脱出とか・・・それはそれで心配です)。したがって、このプロジェクトのテーマの一つである「コミュニティ・ミュージアムづくり」についても、もう一度村の人々と意見を交換していく必要があると思いました。マティグアス市長さんも、引き続きコミュニティ・ミュージアムづくりに向けて土地の準備なども再開していただけるとのことで、仕切り直しというところです。
ともあれ、ラスベガス遺跡の考古学調査を再開しながら、村の方々や学校、行政と一体となって課題解決に向けたコミュニティ・ミュージアムづくりも進めていきます。
こうした海外の考古学や博物館、地域貢献活動に関心のある方、ぜひ南(h_minami@kufs.ac.jp)までご連絡ください。
私たちは、8月28日日曜エルサルバドルからニカラグアへ移動しました。早速、月曜から今回の調査のメインの一つである北部山中のマティグアスへ向かいました。
マタガルパ県マティグアス市は2012年にはじめて訪問し、2013年から開始した考古学と博物館を仲介者とした実践的調査研究(プロジェクト・マティグアス)のベースの町です。発掘調査を実施してきたラスベガス遺跡は、ここから凸凹道をおおよそ30分さらに山奥にはいったティエラブランカ村の近くにあります。
おおよそ3年ぶりにこの町や村を訪れ、お世話になった方々とも再会しました。お互いにコロナ禍の健康を確かめたりして、なんだか故郷に帰ってきたような気持ちになりました。町や村の子供たちにとっては初めてみたいなところもあって、久々に注目を浴びましたが(笑)。
村はあらたな課題に直面していました。近年の大雨で近くを流れるシクレ川が氾濫し、しばしば洪水被害がでているようです(今回、渡河できず遺跡には行けずでした)。また、コロナ禍、村の人口も減ったとのこと(活動拠点である村の小学校先生のお話では、米国を含め海外へ脱出とか・・・それはそれで心配です)。したがって、このプロジェクトのテーマの一つである「コミュニティ・ミュージアムづくり」についても、もう一度村の人々と意見を交換していく必要があると思いました。マティグアス市長さんも、引き続きコミュニティ・ミュージアムづくりに向けて土地の準備なども再開していただけるとのことで、仕切り直しというところです。
ともあれ、ラスベガス遺跡の考古学調査を再開しながら、村の方々や学校、行政と一体となって課題解決に向けたコミュニティ・ミュージアムづくりも進めていきます。
こうした海外の考古学や博物館、地域貢献活動に関心のある方、ぜひ南(h_minami@kufs.ac.jp)までご連絡ください。
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ティエラブランカ村の小学校にて。低学年クラスのこどもたちと。ほとんど私たちのことは知らなかったです。
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いつもはこのシクレ川を渡河して遺跡へ向かいますがこの状態では渡れません。これでも前日は雨が降らなかったのでマシとのこと。
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マティグアスの市長さんとのミーティング。お隣の女性は副市長さんです。
2022/08/29 16:20:00 エルサルバドルへ~プライベート「マヤ」ミュージアムの展示作業への参加者募集!~
お知らせ
南 博史
南です。メキシコシティから始まった2022夏期中米調査。いよいよエルサルバドルで現地調査とインタビューを開始しました。まずは故大井先生が2005年から取り組んだ(2000年3月まで)チャルチュアパ遺跡の中のカサブランカ地区にある遺跡公園の現状を見て廻りました。このプロジェクトで取り組んだピラミッド神殿の発掘調査と修復活動は、おもに1号と5号建造物です。とくにこの1号建造物の規模は、公園内の6基のうち3番目の大きさながらも、このプロジェクトによって往時の姿が想像できるようになりました。
ちなみにチャルチュアパ遺跡は、メキシコ・グァテマラ・ホンジュラス・エルサルバドルを中心に栄えた古代メソアメリカ文明の先古典期前期とよばれる紀元前1000年紀にそのはじまりがあります。以降、後古典期とよばれる紀元後10世紀ころ~スペンイン侵入まで連綿と人々の活動の痕跡が残ります。現在、いくつかの考古学地区が設けられており、そのうちもっとも古く、もっとも大きなピラミッド神殿(高さ20mを越える)が残るのがエル・トラピチェ地区です。
この地区にあるコーヒー農園フィンカ・サン・アントニオでは、故大井先生がグァテマラのカミナルフユ遺跡で調査をされたときに副団長として現場の指揮をとられた伊藤伸幸さん(現在、名古屋大学)が調査をされています。マヤ歴を刻んだ石彫としては、もっとも古い時期(7バクトゥーン:紀元前後)の資料群に含まれる小型の石彫が出土するなどの学術成果が注目です。
さて、農園主のぺルドモさん夫妻のレセプション施設(予約制のカフェ・レストラン)には、展示室があります。ご夫妻が農園経営をされるなかで発見されたさまざまな遺物を収集されたものです。土器や土偶、石彫などが大量に収蔵展示されています。ご夫妻はこれらの資料をもっとわかりやすく展示したいと考えておられます。数年前からこの遺跡を「Ruta MAYA」というマヤの遺跡を巡る国際的観光ルートに含めるべく準備を進めておられることもあり、この展示室の充実はもっとも大切だと考えておられます。
新型コロナウイルス感染拡大前、この施設のミュージアム化に向けて協力を求められていました。今後エルサルバドルでの考古学・博物館活動を再開していく中で、学芸員資格課程(でなくとも中米の考古学に興味のある)の学生さんに協力を求めることにしました。
古代マヤ文明など新大陸の考古学になんとなく興味がありながら、遠い存在だなあと思っておられた方、この機会にぜひ活動に参加しませんか!もちろん現地調査に参加いただくためにはいくつかハードルはありますが、今まで何人もの先輩が参加してきており、それぞれのキャリアに何かの形で生かされています(今回、この調査に同行している杉岡さんも)。ぜひチャレンジしてみてください。
ちなみにチャルチュアパ遺跡は、メキシコ・グァテマラ・ホンジュラス・エルサルバドルを中心に栄えた古代メソアメリカ文明の先古典期前期とよばれる紀元前1000年紀にそのはじまりがあります。以降、後古典期とよばれる紀元後10世紀ころ~スペンイン侵入まで連綿と人々の活動の痕跡が残ります。現在、いくつかの考古学地区が設けられており、そのうちもっとも古く、もっとも大きなピラミッド神殿(高さ20mを越える)が残るのがエル・トラピチェ地区です。
この地区にあるコーヒー農園フィンカ・サン・アントニオでは、故大井先生がグァテマラのカミナルフユ遺跡で調査をされたときに副団長として現場の指揮をとられた伊藤伸幸さん(現在、名古屋大学)が調査をされています。マヤ歴を刻んだ石彫としては、もっとも古い時期(7バクトゥーン:紀元前後)の資料群に含まれる小型の石彫が出土するなどの学術成果が注目です。
さて、農園主のぺルドモさん夫妻のレセプション施設(予約制のカフェ・レストラン)には、展示室があります。ご夫妻が農園経営をされるなかで発見されたさまざまな遺物を収集されたものです。土器や土偶、石彫などが大量に収蔵展示されています。ご夫妻はこれらの資料をもっとわかりやすく展示したいと考えておられます。数年前からこの遺跡を「Ruta MAYA」というマヤの遺跡を巡る国際的観光ルートに含めるべく準備を進めておられることもあり、この展示室の充実はもっとも大切だと考えておられます。
新型コロナウイルス感染拡大前、この施設のミュージアム化に向けて協力を求められていました。今後エルサルバドルでの考古学・博物館活動を再開していく中で、学芸員資格課程(でなくとも中米の考古学に興味のある)の学生さんに協力を求めることにしました。
古代マヤ文明など新大陸の考古学になんとなく興味がありながら、遠い存在だなあと思っておられた方、この機会にぜひ活動に参加しませんか!もちろん現地調査に参加いただくためにはいくつかハードルはありますが、今まで何人もの先輩が参加してきており、それぞれのキャリアに何かの形で生かされています(今回、この調査に同行している杉岡さんも)。ぜひチャレンジしてみてください。
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カサブランカ地区公園内の第1号建造物
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エル・トラピチェ地区で発見された石碑群。表面が平らに加工された複数の石碑が集まっているのがわかる。
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サンアントニオ農園の中にあるプライベートミュージアムオーナーのぺルドモさんご夫妻。とくに奥様が熱心に収集・展示されています。このボリューム感をとりいれた展示がご希望です(難しいなあ)
2022/08/25 20:30:00 中米考古学・博物館研究プロジェクト再開に向けて
お知らせ
南 博史
掘れ惚れセントロアメリカDiary(掘れ惚れニカラグアDiary改称)
購読者のみなさま
大変ご無沙汰しております。プロジェクト代表の国際貢献学部グローバル観光学科南です。このたび新型コロナウイルス感染拡大によって中断していたエルサルバドル、ニカラグア、コスタリカを中心とした中米地域での考古学と博物館学による実践的地域研究プロジェクトの再開に向け活動をはじめました。ようやくです(涙)
思い返せば2年半前、2020年3月が最後の調査でした。調査そのものはおかげさまで差しさわりなく終了し、メンバーも無事に帰国しましたが、他のチームではその後、長期間調査国にとどめ置かれた事例もありました。この2年間は、まさに「陸に上がった河童」でした。
そして、今夏ようやく大学の海外渡航禁止も、一定の条件の下で再開できるようになりました。本学の先生方も多く海外に出かけられているようです。
私たちのプロジェクトでも、調査再開に向けて8月22日から9月13日までの期間、メキシコ→エルサルバドル→ニカラグア→コスタリカを順次訪問し、調査地の確認や関係機会、関係者との打ち合わせを行います。また、今回は京都外国語大学学園創立75周年記念の事業として、「(仮)京都外国語大学国際文化資料館中米考古学・博物館研究の歩み」をテーマにした映像制作を行います。現地を訪問したり関係者のインタビューなどの作業が、今後のプロジェクトにも大きな+の成果があると考えています。
ということで~、私は最初の訪問地メキシコシティにおります(パチパチ)。科学研究費分担(嘉幡茂先生)による調査です、そして今日、次の訪問地エルサルバドルへ向かいます。
エルサルバドルでは、国際文化資料館の開設者でもあり初代に館長であった故大井邦明先生が、チャルチュアパ遺跡の考古学調査に取り組んでおられました。その成果でもあるカサブランカ遺跡公園の様子を記録し、当時調査主任として調査に取り組んだ柴田潮音さん(現在:文化省文化自然遺産局考古課)からお話を伺う予定です。
なお、今回は本学スペイン語学科卒業で現在、同志社大学院総合政策科学研究科博士課程前期1年の杉岡明日香さんが、ご自身の研究(ラテンアメリカにおけるコミュニティ・ミュージアム)をかねて通訳として一緒に調査に加わっています。杉岡さんは学部時代ニカラグアの調査に参加してくれたこともありました。今回から新しくプロジェクトメンバーとして加わっていただけることになり、私や川嶋(植村)まどかさん、深谷岬さんも大喜びです。また、このブログからも発信いただく機会を作りますね。
ということで、掘れ惚れセントロアメリカDiary再開で~す。
購読者のみなさま
大変ご無沙汰しております。プロジェクト代表の国際貢献学部グローバル観光学科南です。このたび新型コロナウイルス感染拡大によって中断していたエルサルバドル、ニカラグア、コスタリカを中心とした中米地域での考古学と博物館学による実践的地域研究プロジェクトの再開に向け活動をはじめました。ようやくです(涙)
思い返せば2年半前、2020年3月が最後の調査でした。調査そのものはおかげさまで差しさわりなく終了し、メンバーも無事に帰国しましたが、他のチームではその後、長期間調査国にとどめ置かれた事例もありました。この2年間は、まさに「陸に上がった河童」でした。
そして、今夏ようやく大学の海外渡航禁止も、一定の条件の下で再開できるようになりました。本学の先生方も多く海外に出かけられているようです。
私たちのプロジェクトでも、調査再開に向けて8月22日から9月13日までの期間、メキシコ→エルサルバドル→ニカラグア→コスタリカを順次訪問し、調査地の確認や関係機会、関係者との打ち合わせを行います。また、今回は京都外国語大学学園創立75周年記念の事業として、「(仮)京都外国語大学国際文化資料館中米考古学・博物館研究の歩み」をテーマにした映像制作を行います。現地を訪問したり関係者のインタビューなどの作業が、今後のプロジェクトにも大きな+の成果があると考えています。
ということで~、私は最初の訪問地メキシコシティにおります(パチパチ)。科学研究費分担(嘉幡茂先生)による調査です、そして今日、次の訪問地エルサルバドルへ向かいます。
エルサルバドルでは、国際文化資料館の開設者でもあり初代に館長であった故大井邦明先生が、チャルチュアパ遺跡の考古学調査に取り組んでおられました。その成果でもあるカサブランカ遺跡公園の様子を記録し、当時調査主任として調査に取り組んだ柴田潮音さん(現在:文化省文化自然遺産局考古課)からお話を伺う予定です。
なお、今回は本学スペイン語学科卒業で現在、同志社大学院総合政策科学研究科博士課程前期1年の杉岡明日香さんが、ご自身の研究(ラテンアメリカにおけるコミュニティ・ミュージアム)をかねて通訳として一緒に調査に加わっています。杉岡さんは学部時代ニカラグアの調査に参加してくれたこともありました。今回から新しくプロジェクトメンバーとして加わっていただけることになり、私や川嶋(植村)まどかさん、深谷岬さんも大喜びです。また、このブログからも発信いただく機会を作りますね。
ということで、掘れ惚れセントロアメリカDiary再開で~す。
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伊丹空港です。ここからいったん羽田へ。そこから成田までバスで移動。家を出てから成田まで6時間~。アクセスの回復はまだまだですね。
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メキシコシティです。何はともあれ国立人類学博物館へ。しっかり見るには数日かかる大型館です。今回はさっと!それでも2時間かかります(民俗展示は無しですが)
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科研代表嘉幡先生と奥様のフリエタさんと打ち合わせ
2020/03/17 08:30:00 2020春のニカラグア調査~3:カリブの町シウナへ
カリブ海調査
ミサキ
みなさまお久しぶりです。
私からは北カリブ自治地域シウナ市の調査についてご報告します。
マティグアス調査の裏で秘密裏に進められていた・・・わけではないのですが、カリブ海岸地域調査も3年目に突入しました。ブルーフィールズ、ムエジェ・デ・ロス・ブエジェス、プエルト・カベサスなど、様々な場所で踏査や現地調査を進めてきまして、今回は北カリブの町シウナへ調査に行ってきました。調査メンバーは南先生、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所客員研究員の嘉幡茂さんとフリエタ・ロペスさん、ニカラグア国立自治大学のケビン・ゴンサレスさん、そして本学博士後期課程の深谷岬(私です)。
昨年、ニカラグアカリブ自治大学(URACCAN)のルイス・エレラさんより「シウナ近郊にはたくさん岩刻画がある」という情報提供を受けたことをきっかけに、今回シウナで岩刻画の調査をすることになりました。岩刻画は、文字通り岩に模様が彫られたもので、ペトログリフとも呼ばれています。岩刻画はカリブ海岸地域ひいては中米各地で存在が確認されているものの、その用途が詳しく分かっていません。これまでの私たちの調査で、岩刻画が河川沿いで多く見つかることから、河川交通と関係しているのでは?という仮説を立てて研究を進めています。そして更なる情報を得るため、ルイスさんの案内で、山を登り、草木を払い、川を越えて(冗談ではありません)岩刻画の分布調査をしてきました。
岩刻画の一つは、シキルタ(Sikilta)という先住民の村にあったのですが、村の人たちが岩刻画のある場所を聖域として現在も大事にしていたことは大変興味深かったです。古代の人々がどのような意図で岩刻画をその場に彫ったのかは分かりませんが、現在は聖地として古代の人々が活動した痕が残されているのです、長い時間の流れを感じますね・・・。
また、岩刻画の調査を手厚くサポートしてくれたURACCANの副学長さん、ルイスさんと、今後どのような共同研究ができるかお話することができました。様々な先住民グループがあるカリブ地域で、先住民の自治や文化に関する活動、考古学と博物館学をどのように関連付けて発展させていくかが今後の鍵となりそうです。
私からは北カリブ自治地域シウナ市の調査についてご報告します。
マティグアス調査の裏で秘密裏に進められていた・・・わけではないのですが、カリブ海岸地域調査も3年目に突入しました。ブルーフィールズ、ムエジェ・デ・ロス・ブエジェス、プエルト・カベサスなど、様々な場所で踏査や現地調査を進めてきまして、今回は北カリブの町シウナへ調査に行ってきました。調査メンバーは南先生、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所客員研究員の嘉幡茂さんとフリエタ・ロペスさん、ニカラグア国立自治大学のケビン・ゴンサレスさん、そして本学博士後期課程の深谷岬(私です)。
昨年、ニカラグアカリブ自治大学(URACCAN)のルイス・エレラさんより「シウナ近郊にはたくさん岩刻画がある」という情報提供を受けたことをきっかけに、今回シウナで岩刻画の調査をすることになりました。岩刻画は、文字通り岩に模様が彫られたもので、ペトログリフとも呼ばれています。岩刻画はカリブ海岸地域ひいては中米各地で存在が確認されているものの、その用途が詳しく分かっていません。これまでの私たちの調査で、岩刻画が河川沿いで多く見つかることから、河川交通と関係しているのでは?という仮説を立てて研究を進めています。そして更なる情報を得るため、ルイスさんの案内で、山を登り、草木を払い、川を越えて(冗談ではありません)岩刻画の分布調査をしてきました。
岩刻画の一つは、シキルタ(Sikilta)という先住民の村にあったのですが、村の人たちが岩刻画のある場所を聖域として現在も大事にしていたことは大変興味深かったです。古代の人々がどのような意図で岩刻画をその場に彫ったのかは分かりませんが、現在は聖地として古代の人々が活動した痕が残されているのです、長い時間の流れを感じますね・・・。
また、岩刻画の調査を手厚くサポートしてくれたURACCANの副学長さん、ルイスさんと、今後どのような共同研究ができるかお話することができました。様々な先住民グループがあるカリブ地域で、先住民の自治や文化に関する活動、考古学と博物館学をどのように関連付けて発展させていくかが今後の鍵となりそうです。
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川を渡る南先生
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この岩刻画、みなさんは何に見えますか?
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お世話になったURACCAN副学長さん(右手前)とルイスさん(中央)