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2020/04/17 16:00:00 宮武辰夫コレクション展 ~紹介その7~

  • Category展覧会
  • Posted by西村
桜も終盤ですね。ところどころ鮮やかな緑がまぶしくなってきました。
季節の移り変わりを感じている西村です。

新型コロナウイルス感染症は依然拡大傾向、Stay Home が合言葉となっています。
むずむずするので刺繍でも始めようかと思っている西村です(やったことありませんが…)。

残念ながら、資料館も3月9日から休館となりました。再開の時期のめどもたたぬまま、4月も半ばとなり、緊急事態宣言が出されました。今後もいっそうの自粛が求められることになりそうです。

資料館としては、なんとかこの感染症が終息し、外出自粛が解かれるようになれば本展覧会を継続予定です。
それまで、展覧会の紹介は続けていこうと思います。

それでは、その6に引き続き、その7を発信します。
ここではトライヤ族にもう少しだけ触れてみたいと思います。

宮武がどうしてもトライヤとしか聞き取れなかったトライヤ族は、現在トラジャ族と呼ばれるのが一般的です。水牛や鶏を信仰の対象とし、葬送儀礼にたいへん特徴のあるこの種族は、インドネシア、スラウエシ島に住んでいます。

建物が特徴的で、人が住まう住居や穀物を保存する穀倉には、階級によっても制限がありますが、図案化された水牛や、鶏、太陽などが文様として施されています。

米を主食とする彼らにとって、米は一粒で多くの実りを与えることから子孫繁栄の意味を持ちます。穀倉は、米の精霊が眠る寝所であり、神聖で重要な場所です。そのため、破風には彼らがあがめる水牛や鶏などが図案化されて彫刻され、赤・白・黒で彩色されています。渦巻き状の模様や、階段状の幾何学文様などで、すきまなく充填され、建物ともどもたいへん特徴的で見る人を惹きつけます。

宮武も写真に収めており、『世界原始民藝図集』付録の「世界に原始芸術を探る」の中で挿図とともにこのように記しています。

破風の彫刻 
「トライヤの住居や穀倉には、ほとんど隙間なく水牛の図案化されたものが彫り込まれてあるが、同時に家屋の突出した破風や棟木うけなどにもさまざまな形態で鶏を彫りつけたり、別に大きな鶏の首を彫ったものを付けたりしてある。又中には鶏が太陽を咥へたり太陽の上に乗ったりして居る彫刻も見られるが、トライヤ以外にも東印度諸島にはこれに類した鶏の図案が相当みられる。」

*宮武辰夫 世界原始民藝図集別冊「世界に原始藝術を探る」第4巻 昭和15年(1942)より抜粋

トライヤの人々と交流し、関係を深めていく中で、展示している「羽目板」を持ち帰ることになりました。この板は、穀倉の破風の一部で、本来神聖なものですので、簡単に持ち帰ることはできません。この板の入手に関して、宮武は下記のように記しています。

トライヤ族の穀倉の羽目板
穀倉は、米の精霊の寝所とされて居る。トライヤ族は、穀倉も人の住居と同じに精巧につくられて居る。その羽目板もまた本圖(ほんず)の様にその一枚一枚に克明な彫刻を施してあるが、その模様も彼等の守り神として畏敬(いけい)して居る水牛を巧に圖案化したものである。色彩は朱、白、黒の三彩であるが、この三色は蘭印から廣くセレベス、紅頭嶼(こうとうしょ)にまで及ぶ共通色であって、白は貝類を石灰化したもの、黒は煤(すす)から、朱色はこの地方に産する朱色粘土から擇(と)り集めたものである。この板はケースの王様から特に私に送られた珍品であって、恐らく信仰的な穀倉の羽目板を手に入れた者はこれが初めてゞあらう。
(宮武辰夫著 「世界原始民芸図集」第八輯 別冊「世界に原始藝術を探る」第八巻より抜粋)

羽目板の下の方に水牛がデザイン化されて彫り込まれています。
ひし形の目、頭部の特徴的な角。独特ですが、西村はこの目に吸い込まれそうです。
細かく一つ一つの文様を分析しても面白そうなので、少し調べてみようと思います。
新たな発見があれば、またご報告しますね。

不安な日々が続きますが、少しでも気分転換になれば幸いです。

次回をお楽しみに。
  • 破風の彫刻  「世界に原始藝術を探る」第4巻 挿図
  • トライヤ族の穀倉の羽目板

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