2020/03/25 11:10:00 宮武辰夫コレクション展 ~紹介その4~
展覧会
西村
日差しが「春」になってきました。
日焼けが、少しだけ気になるお年頃の西村です。
さて、展覧会紹介〜その4〜をお届けします。
「宮武辰夫コレクション展 〜『世界原始藝術図集』から〜」
その3より引き続きまして、台湾に住む原住民族「ヤミ族」についてもう少し紹介したいと思います。
ヤミ族は、紅頭嶼(現在の蘭嶼)という台湾本島の南東に浮かぶ小さな島に住む原住民です。
彼らは、首狩りの習俗を持たず、タロイモなどの栽培やトビウオ漁などの漁業に従事して生活をしていました。。
ヤミ族の模様
彼らが使うさまざまな器物には、精霊文や太陽眼文などが模様としてあしらわれています。彼らは祖先が亡くなると悪霊「アニト」になると信じており、アニトから身を守るためにこのような模様を施しているそうです。また、アニトと戦うための甲は、アニトには顔を見られてはいけないので、目の部分だけがあいた不思議な形をしています。
ヤミ族の舟
会場では2点、小さな舟の模型を展示していますが、じつは「タタラ」と呼ばれる一人乗りの小型舟も寄贈資料に含まれていました。何人もが乗れる大型の舟は、「チヌリクラン」といいます。これらの舟は赤、黒、白の三色で、上記の太陽や、精霊などの文様が施されています。
ここで使われている三色は、オーストロネシア語圏と呼ばれるマダガスカル、インドネシア、フィリピン、台湾、パプア・ニューギニア、そしてニュージーランドを含む地域に共通してみられる色です。
赤は土から、黒は炭、白は貝殻から生成します。
舟の前後にはモロンと呼ばれる羽飾りがつけられます。船体に施された文様とともに海での安全を祈るものです。
宮武のヤミ族の舟に関する記述を以下、抜粋して載せておきます。
"…前略… 矢羽根板が飛ぶように漆黒の長尾を持つ黒三光鳥が、スイスイと斜陽に影して森に入るころからの部落は、一日の灼熱からほっと救われたように、男たちがもちかへる海の幸を待つ女たちの群で一頻り海辺は艶しく賑ふてゆく。
…中略…
元来原始人の舟はその殆どが大木を刳って造ったカヌーであるが、このヤミ族の舟は立派に龍骨を基礎として約八つの部分を組み合わせて居ることにその特徴がある。"
(宮武辰夫著「世界原始民芸図集」第1輯 別冊第1巻 より抜粋)
"この白、黒、朱の三彩の分布は興味深いものであって、ここ紅頭嶼では、白はシャコ貝を砕いて石灰としたもの、黒色は煤や木炭から、朱は山の年度のうちから製して居る。ニユウギネアのパプアやカヤカヤ族、セレベス島のトライヤ族など、主として東印度諸島には色彩に決定的な共通点があるが遠くフィリピンの来たルソンからバタン列島を飛び石伝いに、この紅頭嶼に至るまで、完全に共通色彩の流れを見ることができる。…後略"
(宮武辰夫著「世界原始民芸図集」第1輯 別冊第1巻 より抜粋)
このほか、舟につけるモロンが文様としてあしらわれた釣り具箱や、芋ほり棒、守り刀などを合わせて展示しています。
日焼けが、少しだけ気になるお年頃の西村です。
さて、展覧会紹介〜その4〜をお届けします。
「宮武辰夫コレクション展 〜『世界原始藝術図集』から〜」
その3より引き続きまして、台湾に住む原住民族「ヤミ族」についてもう少し紹介したいと思います。
ヤミ族は、紅頭嶼(現在の蘭嶼)という台湾本島の南東に浮かぶ小さな島に住む原住民です。
彼らは、首狩りの習俗を持たず、タロイモなどの栽培やトビウオ漁などの漁業に従事して生活をしていました。。
ヤミ族の模様
彼らが使うさまざまな器物には、精霊文や太陽眼文などが模様としてあしらわれています。彼らは祖先が亡くなると悪霊「アニト」になると信じており、アニトから身を守るためにこのような模様を施しているそうです。また、アニトと戦うための甲は、アニトには顔を見られてはいけないので、目の部分だけがあいた不思議な形をしています。
ヤミ族の舟
会場では2点、小さな舟の模型を展示していますが、じつは「タタラ」と呼ばれる一人乗りの小型舟も寄贈資料に含まれていました。何人もが乗れる大型の舟は、「チヌリクラン」といいます。これらの舟は赤、黒、白の三色で、上記の太陽や、精霊などの文様が施されています。
ここで使われている三色は、オーストロネシア語圏と呼ばれるマダガスカル、インドネシア、フィリピン、台湾、パプア・ニューギニア、そしてニュージーランドを含む地域に共通してみられる色です。
赤は土から、黒は炭、白は貝殻から生成します。
舟の前後にはモロンと呼ばれる羽飾りがつけられます。船体に施された文様とともに海での安全を祈るものです。
宮武のヤミ族の舟に関する記述を以下、抜粋して載せておきます。
"…前略… 矢羽根板が飛ぶように漆黒の長尾を持つ黒三光鳥が、スイスイと斜陽に影して森に入るころからの部落は、一日の灼熱からほっと救われたように、男たちがもちかへる海の幸を待つ女たちの群で一頻り海辺は艶しく賑ふてゆく。
…中略…
元来原始人の舟はその殆どが大木を刳って造ったカヌーであるが、このヤミ族の舟は立派に龍骨を基礎として約八つの部分を組み合わせて居ることにその特徴がある。"
(宮武辰夫著「世界原始民芸図集」第1輯 別冊第1巻 より抜粋)
"この白、黒、朱の三彩の分布は興味深いものであって、ここ紅頭嶼では、白はシャコ貝を砕いて石灰としたもの、黒色は煤や木炭から、朱は山の年度のうちから製して居る。ニユウギネアのパプアやカヤカヤ族、セレベス島のトライヤ族など、主として東印度諸島には色彩に決定的な共通点があるが遠くフィリピンの来たルソンからバタン列島を飛び石伝いに、この紅頭嶼に至るまで、完全に共通色彩の流れを見ることができる。…後略"
(宮武辰夫著「世界原始民芸図集」第1輯 別冊第1巻 より抜粋)
このほか、舟につけるモロンが文様としてあしらわれた釣り具箱や、芋ほり棒、守り刀などを合わせて展示しています。
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舟の模型(中央部分) 長いのは芋ほり棒
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舟の手入れ(撮影 宮武辰夫)
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ヤミ族の舟(撮影 宮武辰夫)






