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2020/04/09 14:10:00 宮武辰夫コレクション展 ~紹介その6~

  • Category展覧会
  • Posted by東上
こんにちは!
いたるところに春見つけ隊!の東上です。
道端に鼓草がたくさん咲き始めていますね。鼓草(つづみ草)は、タンポポのことです。漢字で書くと、"蒲公英"らしいです。絶対読めそうにないですね。私も今知りしました。
ニホンタンポポとセイヨウタンポポがあるのをご存知ですか?
春だけに花が咲くのはニホンタンポポらしいです。今が貴重ですよ!

あっという間に4月も半ばに差しかかろうとしていますね。
あっという間にコロナも収束してほしいです。

展覧会は予定していた会期を終えてしまいましたが、ご紹介を続けていきたいと思います。
展覧会紹介〜その6〜をお届けします。

「宮武辰夫コレクション展 〜『世界原始藝術図集』から〜」

宮武辰夫の著書『東印度諸島の怪奇と藝術』によると、1936年(昭和11)初秋、日本を出て途中台湾に立ち寄り、シンガポールに渡りマレー半島の風物に接し、東印度諸島へ向かう準備を整えジャヴァへ上陸、その後もセレベス(トライヤ族)、ニューギニア近くのアロー島(カヤカヤ族、パプア族)、レッサースンダ諸島、バリ島などに接した後、1937年(昭和12)7月12日に日本へ帰国した、とあります。この舟旅は2万数千キロにもおよび、10ヶ月余りの赤道行脚は心身を削り取られ、痩せ細って帰ってきた、とあります。またこの旅で、千枚近くの写真を撮り、2千点に余る藝術蒐集を果たしたと言います。


ジャヴァ古代 假面(かめん)
“直線と面で巧に表情を説明づけたうま味は、ジャヴァ古代のものによく見られるが、特にこの假面にはそうした鋭さが盛られてある。両側から押しせばめられたようなこの種の假面は、影絵ワーヤンからの轉化を物語るものであって、そこには写実を越えた興味が存在するのである。…。”

ワーヤン
“影の意であるワーヤンは、勿論信仰的な発足を持ったものであって、この影絵芝居が悪魔妖魔除けとか、祈願成功の謝禮とか、祖先の祭事の場合とかに使用されて居ることによっても明らかであろう。”

ワーヤン・グヌンガン
“常夏の楽土ジャヴァの夜空のもとで、ブレンチョンと呼ぶ燈明を妖しい樹枝から吊して、白い大布に怪奇な影人形を映し踊らせて居る異様な風景―ガメランの楽を縫って語り出す傀儡師だらんの古典怪談に恍惚として一夜を明かす土人達の群―そこは絵巻さながらの情景でもある。…水牛の皮を克明に切り抜いて彩色した怪奇人形が百四十種類、それに小物などを添えると二百に餘るものが一組としてこの古典ワーヤン芝居が成り立つのである。…表現された動物や樹木の類は皆彼等が呪信の對照として居るものばかりであって、勿論この影絵そのものの持つ意義にも多分に信仰を織り込んで居る事がわかる。”


提桶(さげおけ)
“強い豊かなアウト・ライン、そして素朴な手と胴の構成、さびた朱一色―正にそれは大陸の縮図である。流れに近く、布を打つ音がやむ。…静かにこの提桶を眺めて居ると、いつとはなしに背景が浮び女が動く。こんなにも豊かさを持つ民族が、地球のどこかに住んで居る事は、なつかしさの極みである。胴は桶の如く、縦木を並べ、その上から…、仕事には健康さが溢れて居る。勿論當事は農民階級の下手ものの粗雑な部類に属したものであろうが、そこには些の企らみも無くて、庶民の生活に素直に適って生まれたものである。”


(世界原始民藝図集より抜粋)


ジャヴァ(現在のジャワ島)の影絵は、一人で200役をこなすことにも驚きですが、影絵だけれど美しい彩色に繊細な透かし彫りが施していることにも驚きすぎました。

インドネシア セレベス島(現在のスラウェシ)の中央山岳地帯に住む「トライヤ族」(当時トラジャとか、トロジャ族と書く人もいたようですが、宮武の耳にはどうしてもトライヤとしか響かなかったそうです。)は、首刈りをしていたと言われています。米を常食とし、尖った大きな屋根を備えた家屋をもち、結婚や出産などの儀礼は行わないが、独特の葬儀を行うことで知られています。
展示品の中のトライヤ族の石灰入れ(竹製刻線帯文蓋付容器)は、大小様々なサイズがあるが、写真の大きい方のものは、長さ12.8センチ、径3.5センチのものです。これらは、シリィという植物の葉に、檳榔(びんろう)と石灰を混ぜたものを包んで噛む習俗に使うものです。この緻密な文様彫刻は、宮武も“数多い原始人の竹細工中、トライヤの竹筒の彫刻に優るものは未だ嘗て見た事がない”と言うほどです。


オランダ政府が統治時代の東印度諸島の旅は、世界各国の沿岸航行を禁止されていた中、宮武の乗る”虎丸”だけは許可してもらったそうです。宮武辰夫は一体どんな人物だったのか、謎が深まるばかりです。



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写真①左上・右上:ジャヴァの影絵、左下:展示の様子、右下2つ:加彩貴人面
写真②上:木製金彩鳥龍彫文灯皿掛、木製双頭鳥彫文灯皿掛、下:セレベス島 トライヤ族 竹製刻線帯文蓋付容器(石灰入れ)
写真③上2つ:朱漆塗金彩提桶、朱漆塗変形片口型手桶、下2つ:木製獣神草花彫文脱穀具
  • 写真①
  • 写真②
  • 写真③

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