HOME > 展示目録 > 第1部. 日本論としてのキリスト教布教報告書類 > 1.ポルトガル人が著してポルトガル国内で刊行された書物



LVCENA, loam de

Historia da vida do Padre S. Francisco de Xavier
Lisboa, 1788. 4vols.


ルセナ『聖フランシスコ・ザビエルの生涯』全4巻

 本書はジョアン・デ・ルセナ(loam de Lvcena, 1549?-1600)によって書かれた『聖フランシスコ・ザビエルの生涯』の第2版である。ルセナはポルトガルのトランコーゾに生まれたイエズス会修道士で、芸術や哲学などの分野にも精通し、文筆家としても活躍した人物である。
 本書の原典は同じくポルトガル語で書かれて1600年にリスボンで刊行されており、この版は188年を経て出版されたものである。ここには、ザビエルの人柄や行いをはじめ、東洋で布教にあたった他のイエズス会士の紹介やポルトガル人がアジアに与えた影響、また、ゴアから日本や中国までの地理などが書かれ、さらにはヨーロッパの商人のこと、東洋の様々な宗教やカトリックの布教の可能性などについても記述されている。
 なお、本書が刊行された1788年の日本は江戸時代後半の天明8年にあたり、依然としてキリスト教の布教と諸外国の来航を禁止する鎖国体制を堅持していた。この当時の東洋はイギリスやフランス、オランダ、スペインなどの進出によって、ポルトガルは劣勢に立たされていたが、マカオの経営には強い力を注いでいた。この時期にポルトガル本国で本書の第2版が刊行されたことは、250年も前に東洋、特に中国や日本で布教をおこなったザビエルに対する評価が依然として高かったことを物語っている。


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