HOME > 展示目録 > 第1部. 日本論としてのキリスト教布教報告書類 > 1.ポルトガル人が著してポルトガル国内で刊行された書物



〔SOCIETAS-JESU〕

Cartas qve os padres e irmãos da Companhia de Iesus, que andão
nos Reynos de Iapão… (Cartas do Japão 1570)

Coimbra, 1570.


[イエズス会] 『日本イエズス会(コインブラ版)書簡集』

 本書はフランシスコ・ザビエルが日本で布教を始めた1549(天文18)年から1566(永禄9)年までの日本イエズス会書簡集で、出版年や出版地であるポルトガルの地名に因んだ『1570年、コインブラ版』、もしくは『コインブラ版日本イエズス会書簡集』の略称で通じるほど有名なものである。それは本書が、この時期のイエズス会書簡集のうち最も正確な内容であることに起因する。当時、日本で布教に従事していたイエズス会士は通常ポルトガル語で書簡を書いており、本書は他の言語に翻訳されずに書簡と同じポルトガル語で纏められているために、誤りが少ないのである。
 この書簡集には1566年までしか収載されていないが、そこにはザビエルの日本通信をはじめ、ポルトガル人宣教師ヴィレラ(Gaspar Vilela, ?-1572)の京都における開教、九州各地における布教の進展、同じくポルトガル生まれのアルメイダ(Luis de Almeida, 1525-1583)修道士の五畿内旅行、有名なポルトガル人宣教師であるフロイス(Luis Frois, 1532-1597)の上京など、初期のイエズス会士が苦労した布教の様子が綴られている。
 本書は、1598 年に同じくポルトガルのエヴォラ(Evora)において、1588(天正16)年までの日本書簡集が刊行されるまで、日本イエズス会書簡集の集大成と見なされており、フロイスが日本での初期イエズス会史として書いた有名な“Historia de Japam”(「日本史」)の情報源となったものである。


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