本書を編集、出版したパンクーク(Panckoucke)社は、かつてディドロとダランベールの『百科全書』を刷新し、拡大して系統的百科全書を企画、出版した出版社である。内容はナポレオンに関する様々な資料を使って構成されており、彼の系譜からはじまり、イタリア領事との書簡、帝国に関する様々な記録、エジプト遠征、ロシア侵攻、ザクセン帝国への侵攻、フランスでの戦い、ナポレオンの口述記録、さらには流刑に関する記録などからなっている。
本書の出版が始まった1821年はナポレオンがセント・ヘレナ島で亡くなった年で、その翌年の1822年で6巻5冊(合本)を完結しており、極めて速い時間で編集し、刊行されていたことがわかる。また、装丁は5冊共にマーブル模様が入った革装で、天、地、小口の三方にも青色主体のマーブルが施された豪華なものとなっている。さらに、第2巻の見開きにはナポレオンの肖像画が入れられている。
(22×14cm×5 vols.)
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