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19 スペインの支援でナポレオンと同い年のドイツ人フンボルト中南米を学術調査

HUMBOLDT, Alexander de

Political essay on the kingdom of New Spain

4 vols. London, 1811.

フンボルト『新スペイン王国に関する政治的評論』

 アレグザンダー・フォン・フンボルト(1769-1859)はプロイセンの貴族出身の地理学者で、「近代における自然地理学の創始者」といわれる。ナポレオンと同じ年に生まれて地理学者になっていた彼は、 1799年から1804年にかけてスペインの支援のもとに中南米のコロンビアやペルーなどにかけて現地調査の探検を行った。本書はその成果でニュー・スペインの政治誌である。内容は地理をはじめ、面積や行政区分、国土の外観、人口、農業、工業、商業、軍事などの状態を記しており、イギリスやロシアの植民政策とスペインの政策を比べ、メキシコとヨーロッパの自然環境上の違いを述べるなど、比較研究を取り入れている。また、数値は羅列するだけでなく、それぞれの関連をもとに科学的に証明している。このように統計や地図などを豊富に含んでいることからスペインの植民政策の重要な資料となり、同時にヨーロッパにおいて学術研究者としての彼の知名度を大きく高めることになった。
 なお、本書は1808年から1811年にかけてフランス語原本から翻訳された英語版で、フランス語版の最終巻後年と同じ1811年に全4巻で刊行された。
                            (22×14cm×4 vols.)

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