トーマス・スタンフォード・ラッフルズ(Thomas Stamford Raffles, 1781-1826)はイギリスの植民地行政官である。父が船長であったことからジャマイカ沖の船上で生まれたと言われる。見習いで東インド会社に雇われ19歳で正社員になると、努力して多くの知識を身につけ、1805年に赴任したペナン島ではマレー語を会得している。ヨーロッパでオランダがナポレオンに屈したことからオランダ領のジャワもフランスへ移り、1811年にインドから出発したジャワ奪取のためのイギリスの遠征軍に加わった。作戦が成功するとラッフルズはジャワの副総督として現地に駐留した。ナポレオン戦争の終了後の1815年にジャワ
はオランダへ返還されるが、その後一旦帰国して本書を刊行した。内容は歴史だけでなく地誌としての範疇にも及び、動物学や植物学の記述も豊富である。
なお、彼はジャワ滞在中に日本との通商にも関心を示し、出島に船を差し向けるがオランダ商館長ドゥーフと対立してこれを断念した。また、1819年にシンガポール島へ上陸して商館を作るなど同国発展の礎を築いたことから、彼の名前は現在も高級ホテルに残されている。
(28×23cm×2 vols.)
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