アメリカ大陸のミシシッピ河流域にある広大なルイジアナはフランスによって植民地化されていたが、ヨーロッパでの戦争によって財政にひっ迫をきたし、ナポレオンの決断で1803年にアメリカ合衆国へ譲られた。これを得た第3代大統領トーマス・ジェファーソンは以前から水路によって太平洋岸に至る交通路を開く構想を持っており、議会の承認を得て信頼するメリウェザー・ルイス(1774-1809)大尉を隊長に、ルイスが選んだ軍人ウィリアム・クラーク(1770-1838)を補佐役として調査探検を行わせた。二人は探検隊を組織し、1804年から1806年にかけてミズリー川からロッキー山脈を越えてコロラド川上流、オレゴン川流域を調査し、コロンビア川を下って遂に太平洋岸に到達する往復の探検旅行を成功させた。
本書はその記録で、探検隊がインディアンの種族に出会い、知られていなかったショショニ族の発見など探検中に生じた様々なエピソードや、地理学、動物学、植物学的に貴重な記録も収録している。この探検の結果、地理をはじめとした諸科学分野の新たな発見のほか、アメリカ人の意識が西部へ向けられ開発が進むことになる。
(29×23cm)
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