HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで)



APPERT, [Victor] G[eorge]
Ancien Japon
3 vols.(2 vols.) Tokio, 1888.


アペール 『古代の日本』 全3巻のうち2巻

 著者ヴィクトール・ジョルジュ・アペール(1850-1934)は、フランスのシャンパーニュ地方で生まれた。パリ大学で法学博士号を取得して三年後の1879(明治十二)年に、明治政府にお雇い外国人として招かれ来日した。この時代に我が国を訪れたフランス人法律学者としては、すでに職務を終えて帰国していたジョルジュ・ブスケや司法省法学校で活躍中のギュスターヴ・エミール・ボアソナードなどがおり、彼らに次ぐ訪日であった。当時の日本は1877(明治十)年に西郷隆盛が率いた西南の役の痛手が冷めやらない中で、翌1878(明治十一)年に薩摩出身の内務卿大久保利通が暗殺されるなど、反政府活動が頻繁に起こっていた。彼はこうした中で司法省法学校教師として教鞭をとり、明治法学校や東京法学校でも法治国家としての更なる法整備の必要性を説いている。1884(明治十七)年に一旦帰国し、翌年に再来日してからは司法省から文部省に移管されて作られた東京帝国大学法科の教員も務め、日本での滞在は1889(明治二十二)年に帰国するまで通算八年を超えた。
 本書は彼が東京帝国大学を辞する一年前の1888(明治二十一)年に東京で刊行したもので、日清戦争に向かう情勢の下、我が国の飛鳥、天平時代からの法制度の歴史や文化を紹介したものである。
 なお、本書は全三巻として刊行されたものであるが、この所蔵本は残念なことに第一巻が入手時から欠本となっている。しかし、両巻には著者が母国の海軍将官に本書を贈った時の自筆と見られる献詞と署名が入れられており、書誌学的に貴重なものである。


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