HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで)



GONSE, Louis
L'art japonais
Paris, 〔1886〕.


ゴンス 『日本美術』

 ルイ・ゴンス(1846-1921)はパリに生まれ、「リセ」とよばれる中高一貫教育の国立サン・ルイ学校を卒業後、大学で法学士を取得した。その後、パリの古文書学校に進み、ここで学ぶ間に美術と考古学に関心を高めるようになった。学業を終えてからも、富に恵まれていたことから職を得る必要がなかったため、執筆活動に専念したようである。1828年頃から「ノルマンディー誌(Revue de Normandie)」に紀行文を書くなどして文才を示し、1869年には「ガゼット・デ・ボザール(Gazette des beaux-arts)」社に勤務して、1875から1894年までの間に編集長も務めた。また、日本の美術品の収集家としても知られ、1883年に日本芸術に関心を持つ人々と共に「日本美術回顧展」を催してその目録を刊行するなど、ジャポニスムの気運を高揚させた研究家としての名声を高めた。また、この間、フランスに滞在していた日本人美術商の林忠正とも交際があったようである。 日本人から見て最大の業績と見做される『日本美術』の初版は、1883年に全二巻で刊行された。ここでは歴史や文化について述べた上で、絵画や建築など個々の美術工芸品を紹介していることから、総合的、体系的な日本美術の研究書としての大著とされている。本書は1886年に「美術教育図書」シリーズの『日本美術』として刊行されたもので、目次や序文などはなく、直接に「絵画」から入り、「建築」、「彫刻」、「彫金術」、「漆器」、「織物」、「陶器」、「版画」など、七つの項目に分けて美術工芸品を紹介したものとなっている。


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