HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで)



COTTEAU, Edmond
Un touriste dans l’Extrême Orient
Paris, 1884.

コトー 『極東への旅行者』


 エドモン・コトー(1833-1896)はジャーナリストを経て後に旅行家として活躍した人物で、世界各地に旅をしてその成果を書物に著していた。本書はコトーが1881年にフランス文部省の依頼を受け、鴨緑江を中心にシベリアを調査した際に日本や中国を訪れ、帰国後その時の印象を纏めたものである。日本へは1881(明治十四)年にデンマーク船でウラジオストックを発ち、同年八月に長崎へ上陸したもので、長崎から海路、瀬戸内海を経て横浜、東京へと赴き、日光を見物した。その後、人力車で東海道を下り名古屋を経て京都へ入り、宇治や奈良、大阪を見物して、神戸から日本を離れた。
 本書は旅行記として洗練されており、例えば京都について書かれた下りでは、かつて五十万人あった人口が東京遷都によってその半分の二十五万に減少したが、伝統工芸を守る人たちが住み続けていること。このような町は屋根が低くて活気に乏しく、自分には魅力的でないことなどと一旦は否定的な筆致を示しながら、人々の生活を知ることで、やがてその考えが覆されていく過程が、川の規模で鴨川とセーヌ川、古都アテネと京都の比較などの手法を取り入れて表現されている。
 なお、本書は幸田礼雅氏によって『ボンジュール・ジャポン-青い目の見た文明開化』として抄訳されている。


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