HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで)



BEAUVOIR, [Ludovic], Le Comte de
Voyage autour du monde
Paris, 1875.


ボーヴォアール 『世界周遊記』

 ブリュッセルで生まれ、後にフランス外務省の高級官僚となる著者リュドヴィック・ド・ボーヴォアール(1846-1929)は、1865年から1867年にかけて、フランス侯爵パンティエーブルの世界一周の旅に随行した。オーストラリアをはじめ、ジャワ(現在のインドネシア)、シャム(現在のタイ)、中国の広東や北京、アメリカのサンフランシスコを廻る中で、1867(慶応三)年には日本へも立ち寄った。
 日本に関する記述では、開国して不安定な社会情勢のもとで、攘夷派の厳しく光る目を避けながら三十二日にわたって滞在した体験を語っている。特に、横浜へ到着したのち、江戸や鎌倉、箱根などへの旅を通してみた人々の生活や習慣などからして、この国が将来、必ず東洋においてひときわ繁栄する国になるものと予測をたてている。この年の日本では徳川幕府の十五代将軍慶喜から大政奉還があり、朝廷によって王政復古が宣言されている。
  本書は著者がこの世界旅行で訪れた場所について、地名別に書き纏めて刊行していたものを、1873年にこの書名のもとに統一し、1875年に刷りを改めて出版したもので、全体で九枚の地図と百七枚の図版を含んだものである。
 なお、ボーヴォアールは標題紙では伯爵となっているが、フランス国立図書館の書誌データの記述では侯爵となっており、本書が刊行されたのちに昇格したものと考えられる。


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