HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで)



EVRARD, Félix
Cours de langue japonaise en soixante leçons
Yokohama, 1874.


エヴラール 『日本語教程』

 この日本語研究書を記したフェリックス・エヴラール(1844-1919)はパリ外国宣教会の司祭である。1867(慶応三)年に長崎に上陸し、翌年に函館へ移った。この頃の函館は1854(嘉永七)年の日米通商条約の締結以降、諸外国に開かれており、同地で宣教の傍ら日本語を学んだ。その後、新潟へ移り後に首相となる原敬などにフランス語を教えている。1875(明治八)年からは横浜に入り、堪能な日本語を評価されて公使館付通訳官となる。また、東京の築地や神田の教会の司祭も兼ね、同時に新任の宣教師たちに日本語を教えた。さらに、1882(明治十五)年の日仏通商条約の改定交渉にあたっては、フランス側代表の秘書としても活躍している。パリ外国宣教会の日本副管区長を経て臨時日本管区長も務め、横浜で逝去した。
 本書は横浜において刊行されたフランス人向けの日本語会話教科書で、エヴラールは序文でさらに高度な内容のものを作り、全二巻で完結するように作ったものと述べているが、本館ではこの第一巻を所蔵するのみである。尤も、フランス国内の図書館はもとより、日本の国立国会図書館などの書誌情報でも第二巻の存在を確認することができない。これは、エヴラールが本書(第一巻)を公使館付通訳官に就任する前年の1874(明治七)年に刊行しており、その後の職務が多忙になったことや本人も序文で気遣っている健康上の問題などで第二巻が刊行できなかったのかも知れない。


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