HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで)


パジェスの主な日本関係著作
 レオン・パジェス(1814-1886)は、パリ生まれの東洋学者で“L'univers”誌の共同編集者であったことや、清国(中国)駐在のフランス公使館付の職に就いていたこと以外は余り知られていない。熱心なカトリック信者であったことから、外交官を務めていた時代にフランス人によって日本での再布教が行われたこと、さらには二十六聖人の列聖などに刺激を受けて日本のキリスト教布教の歴史に関心を高めたと思われ、日本に係わる書物を残した。

PAGÉS, Léon
Dictionnaire japonais-français
4 vols. Paris, 1862-1868.


『日仏辞書』 全4巻

 この『日仏辞書』は、イエズス会の伝道士たちによって作成され、1603(慶長八)年に長崎で印刷されたパリ国民文庫所蔵の“Dictionnaire japonais-portugais”(『日葡辞書』)に基づいて、ポルトガル語の部分をフランス語に訳したもので「仏訳日葡辞書」と言える。また、これに欠けている部分はドミニコ会が1630年に刊行したスペイン語訳日葡辞書で補われている。
 なお、この辞書は四分冊からなり、第一分冊(1-200頁)は1862年3月25日に、第二分冊(201-400頁)は1865年11月1日にパリのバンジャマン・ドュプラ社から、また、第三分冊(401-600頁)は1866年11月1日に、第四分冊(601-932頁)は1868年2月1日にパリのフィルマン・ディド兄弟社から刊行されたものである。
 原本となった『日葡辞書』も『日西辞書』も、それぞれ日本語を写すのにポルトガル語式の綴り方によるローマ字を用いているが、パジェスはそれをフランス語式の綴り方に改めたため、配列順序がかなり変わったものになっている。また、片仮名の発音を付け加えたのはパジェスの創意である。今日、この辞書を見れば、誤訳であろうと疑うべき個所が多々あるが、当時としては画期的なものであったと推察される。


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