HOME > 展示目録 > I. ヨーロッパに流布していた日本関係書物のフランス語版と来日経験がなかったフランス人による書物(1857年まで)



ABELLY, Lovys (tr.)
Lettres de S. François Xavier
Paris, 1660.


アベリ訳 『ザビエル書簡集』

 本書の訳者ルイ・アベリ(1602頃-1691)はフランスの倫理神学者である。パリ(ヴェクサン説もある)で生まれ、神学博士号を取得後、バイヨンヌで司教総代理となり、パリのサン・ジョセ(St. Josse)教会で司祭を務めた。その後アヴェロン県のロデーズ(Rodez)で六十歳まで司教を務めている。1664年にパリに戻り、サン・ラザール(St. Lazare)で文士たちと交流を持って活動し、神学関係だけでなく文学的な著作も残した。
 本書の構成はザビエルがインドのゴアに到着した時期からのもので、全四章をフランス語に纏めている。第一章は1542年9月8日付ゴア発信から1546年5月10日アンボン(インドネシア)発信までの十五通、第二章は1546年5月18日アンボン発信から1548年2月23日コーチン(インド)発信までの十四通、第三章は1549年4月14日から1551年(12月24日頃)シンガポール海峡発信までの十通、第四章は1552年1月29日コーチン発信から1552年11月12日サンチャン(上川島)発信までの十九通となっている。
 日本については、第三章書簡六(1549年6月22日、マラッカよりローマのイエズス会員宛)で日本布教への出発を決心し、インドでザビエルが洗礼を受けさせたアンジロウたち三人の日本人を同行する旨が記されている。第三章書簡七及び八は日本到着後、鹿児島から、書簡九は山口からゴアのイエズス会員に宛てたものである。第四章書簡一は、日本からコーチンへ戻り、同地からヨーロッパのイエズス会員に発信したもので、鹿児島到着後の日本での布教や世情などを記した日本布教の報告書である。


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