| HOME > 展示目録 > II. 日仏修好通商条約の締結後に刊行されたフランス人による書物(1900年まで) |
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| ラ・マズリエール(1864-1937)はフランスの侯爵である。パリ生まれで、旅行家、探検家、さらには東洋民族誌学者として活躍した人物である。学歴など彼の生涯の事柄について詳しくは分からないが、1889年から1892年にかけて世界を旅して、インド、ビルマ、タイ、ジャワ、中国、そして日本を訪れ、これらの国々の歴史を綴った書物を多く残している。 1899年に刊行された本書は、新渡戸稲造が翌1900年にアメリカで著した英文書『武士道』の中の第二章「武士道の源」で、「気鋭のフランスの学者」と評価してラ・マズリエールの16世紀の日本を述べた一節を紹介している。これは本書の173頁から174頁にある第三篇の序論の部分で、その主旨は16世紀半ばの日本は政治や社会、宗教面で混乱していたが、蛮行から身を守るための正当防衛の必要性が生じたことは、フランス人哲学者テーヌの賞賛する、同じ16世紀のイタリア人と並ぶ旺盛な進取の気風、速やかな決断力と実行力を持った人間を育て上げた、という。また、このことはイタリアと同じように中世の粗野な習性が人間を戦闘的で反抗的な立派な動物にした、とし、さらに、これが16世紀に日本人の特性が気質や精神の中に立派に発揮され、多方面また多様に発展を遂げていった理由である、などとするものである。新渡戸はラ・マズリエールのこの理論を確認するかたちで、『武士道』の第三章以降を書き進めることを述べていることから、新渡戸の本書に対する印象は大変に強いものであったといえよう。 なお、本書には標題紙にも記載されているように、十九枚の写真の複製が挿入されている。 |
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