| HOME > 展示目録 > I. ヨーロッパに流布していた日本関係書物のフランス語版と来日経験がなかったフランス人による書物(1857年まで) |
![]() |
| 十九世紀に入ってもヨーロッパ社会でザビエルに対する尊敬の念は失せることがなかった。むしろ、印刷術の発展によって刊行物の発行部数も増加し、より多くの人々がザビエルの功績を称えるようになった。本書はこうした中、1830年にフランスで発行されたザビエル以降のイエズス会宣教師の日本関係書簡集である。序文において「ザビエルは宣教師であるが、実際に自分の眼で見て記述しており、史実に忠実であり誤りがないことから、立派な歴史家であると言える」と賛辞を送り、また、本書の書名にある“supplément” は、後に布教に携わった宣教師がザビエルの功績をさらに補完していったという意味であることを説明している。 この書簡集には、多くの宣教師たちが1549(天文十八)年から1573(天正元)年の二十四年間の布教初期に書いた五十通の書簡が年代順に収録されている。最も古いものは、ザビエルと共に来日したコスメ・デ・トレスが、日本に向けて出発する三週間前の1549年3月25日にインドのゴアからイエズス会員に宛てて書いた書簡である。また、最も新しいものは、ルイス・フロイスが1573年6月17日にミヤコ(京都)から豊後に滞在する日本布教長フランシスコ・カブラルへ宛てた書簡である。 また、末尾にはルイス・フロイスが織田信長の前でおこなった「精神性と魂の不滅」についての進講の内容があり、信長は「死後、魂が存在することについて深く考えたことがないので詳しくは言えないが、私が知っているbonzes (坊主たち)は、肉体が無くなれば魂も滅びると言っている」と述べている点は興味深いものがある。 |
前の図書へ![]() |
次の図書へ |