HOME > 展示目録 > I. ヨーロッパに流布していた日本関係書物のフランス語版と来日経験がなかったフランス人による書物(1857年まで)



KÄMPFER, Engelbert
Histoire naturelle, civile, et ecclésiastique de l'Empire du Japon
2 vols. in 1. La Hare, 1729.


ケンペル 『日本誌』 2巻合本


 エンゲルベルト・ケンペル(1651-1716)は、ドイツ生まれの医者、博物学者。1689年にオランダ東インド会社に就職し、1690(元禄三)年に出島商館付きの医師として来日、1692年まで滞在し、その間二度にわたり商館長の江戸参府に随行した。1693年にオランダへ帰り医学博士の学位を受け、後に郷里で開業のかたわら著述に従事した。
 本書はケンペルの没後、原文のドイツ語版が刊行される以前にハーグで英語版から仏訳されて出版された初版本で、第一巻と第二巻が合本され、全五篇及び付録よりなる。第一巻の第一篇には日本の一般的紹介記述の他に、バタヴィアからシャムへの旅行、シャム宮廷の現状などの章が含まれ、第二篇には、日本の政治状態などの章、第三篇には、日本の宗教および神社についての章からなっている。第二巻の第四篇には長崎についてなどの章があり、そして第五篇は十五章よりなり、二回にわたる長崎から江戸への江戸参府紀行である。また、付録は、諸国奇観中の日本に関する記事で、第一は日本の茶、第二は日本の製紙、第三は病気と針治療、第四は灸、第五は龍涎香(香料の一種)、第六は鎖国についてである。
 また、この『日本誌』にはシャム王国の記述も併せて載せられているが、これは貴重な記録といわれる。書中日本の各種の事柄を数多くの銅版画で示しており、とくに興味深い。


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