2022年度ブックトーク第3弾を開催しました。

2022年度ブックトーク第3弾を10月31日(月)に行いました。当日は学生、教員、図書館スタッフ各々1名ずつが自身の薦める本について語りました。
今回も発表後は、オーディエンスを交えての座談会はとても盛り上がりました。
 

ブックトーク第3弾「SDGs」

2022年10月31日(月)アジア関係図書館閲覧室
「ほんとうの日本とSDGs」
英米語学科 4年次生 森部邦昭
紹介本:中田英寿監修著『に・ほ・ん・も・の』
三浦春馬著『日本製』
 「SDGsとは?」その答えのヒントは、日本に古くからある暮らし方の智慧や技術に隠れているのかもしれません。ふたりの日本人が「ほんとうの日本」を知るために47都道府県を旅して感じたものとはいったい。
「人や地球に優しく“お洒落”になろう」
図書館職員   黒川瑞花
紹介本:エリザベス・L・クライン著『シンプルなクローゼットが地球を救う : ファッション革命実践ガイド』
エリザベス・L・クライン著『ファストファッション : クローゼットの中の憂鬱』
サフィア・ミニー著『NAKED FASHION : ファッションで世界を変える』
 近年注目されている、エシカル・サスティナブルファッションを知っていますか?やってみたいけど難しそう、自分の趣味と合わなさそう…と考えていませんか?エシカルとは、「倫理的な」、「道徳的な」という意味を持ち、社会的な模範を指す意味で用いられています。サステナブルと同様、最近では「環境保全や地域・社会への貢献」という意味で捉えられてるのです。エシカル・サスティナブルファッションを日常生活に取り入れることは、実はとっても簡単で、どんなライフスタイルや個性にも活かす事が可能です!その方法を『シンプルなクローゼットが地球を救う : ファッション革命実践ガイド』と『ファストファッション : クローゼットの中の憂鬱』、そして『NAKED FASHION : ファッションで世界を変える』の3冊で皆さんに紹介します。
「すべては食卓から-食糧から見る国際政治-」
大阪大学招聘研究員 本学非常勤講師 東村紀子
紹介本:Erik Millstone, Tim Lang著『食料の世界地図』
羽場久美子編著『移民・難民・マイノリティ』
カトリーヌ・ヴィートル・ド・ヴァンダン著『地図とデータでみる移民の世界ハンドブック』
 全ての人にとって、生活の根源は食料です。ところがここ最近、多くの移民や難民が祖国の難を逃れてヨーロッパやアメリカ、日本に流入していますが、そもそも世界中で起きている紛争の多くは、実はその発端は国内の飢餓問題から始まっているケースが多いです。そしてその紛争が勃発したことによって飢餓問題がさらに深刻化し、その飢餓からまた新たな紛争が引き起こされる事例など、負の連鎖に陥っている地域や国が多数存在しています。
 今回、私が推薦する『食料の世界地図』は、どこでどんな作物が生産され、現在はどこでどういった食糧危機が生じているのか、そして安全に食料を確保できない場所でどれだけの人が苦しんでいるのかなど、農業とそれにまつわる諸問題、そして問題を解決するための政策はいかなるものなのかを、世界地図を通してビジュアル的に、平易に理解することが可能な本です。
 また『移民・難民・マイノリティ』は、国際政治学の第一人者であり大変著名な羽場久美子教授が編著を手掛けられた本で、大変ありがたいことに拙稿の掲載をご依頼いただいたという、大変名誉で大切な思い出がたくさんつまった本です。本書は、世界的な移民・難民・マイノリティといった人々の「移動」をテーマとした政治学的観点から分析されており、世界全体としての潮流だけでなく、今まで分析対象として取り上げられてこなかった国々の移民・難民政策に焦点が当てられています。本のボリュームが分厚いために敬遠される向きもあるかもしれませんが、学術図書としてだけでなく、一般図書としても理解が容易でユニークな論稿が多数掲載されています(拙稿については、2022年3月中旬に朝日新聞『ほんのとびら』ページにて副島英樹編集委員によってインタビュー形式で紹介・掲載されました。)。  最後に『地図とデータでみる移民の世界ハンドブック』は、私が(博士後期課程在学時に留学した先の)パリ政治学院で指導を受けたヴァンダン教授が著したものです。2022年9月に改訂されたばかりのものが発行されており、以前に比していっそう論点やテーマ分けが明確なものとなっている良書です。ぜひ、ご一読ください。

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