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今日の世界では遺跡を含む文化財を全人類の遺産として保存活用を考え、未来につないでいこうとする大きな流れができつつある。
それまでの考古学は、発掘することで遺跡がもつ情報を引き出すことに重点を置き、発掘が終了すれば埋め戻していた。また、考古学者たちは、床があれば床の下に何があるかを追究し、壁があればその向こうにあるものを求めて掘り進んできた。しかし、近年そうした遺跡発掘は許されなくなってきた。古建造物を発掘したら修復して保存することを、ほとんどの国が義務づけるようになった。
メキシコ考古学はすでに一世紀以上前から、遺跡の発掘には建造物を修復し保存活用することが、一般的な方法として実行されてきた。
遺跡の修復活用は、スペイン征服によって形成された「征服民と被征服民」の構図を「メキシコ人」ひとつにするためというメキシコ的事情からはじまった。メキシコ中にある遺跡を発掘、修復して「あなた方のご先祖はこんな素晴らしい文明をつくった」と先住民に見せ、教育するためであった。その理念は変化しつつも継承され今日に至っている。 |
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メキシコ西部ミチョアカン州のタラスコ高地にあるティンガンバト村は、首都メキシコ市から400Km余、州都モレリア市から西南95Km、パツクアロ市から西に35Kmの地点にある。海抜は約1500m、気候温暖でおいしい水と良質のアボガドを産する。1978〜’79年に、この村のはずれにある遺跡(「ティンガニオ遺跡」と命名するも、村名ティンガンバトが遺跡名とされることが多い)の調査をおこなった。
テオティワカン様式の建造物、球技場、50体ものいけにえの遺骸を納めた地下の墓など、当時メキシコ西部地方では初めてのものばかりが発見された遺跡調査であった。
それから四半世紀以上を経て、ティンガンバト村では遺跡博物館づくりが進められている。京都外大国際文化資料館と京都ラテンアメリカ研究所は、その展示のために発掘調査時の情報提供とともに写真や図などの資料の作成に協力している。
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