Master's Program

博士前期課程

専門分野の分析方法を修得し、
国際社会で活躍できる人材へ。

  • 言語学や文学などの「学問分野」を軸に専門性を高めるカリキュラム。
  • 理論と実践・実証の直結指導で、多様な進路を拓く。
  • 優れた業績を上げれば、最短1年で修了することが可能。
研究科・課程(標準修業年限)外国語学研究科 博士前期課程(2年)
専攻(入学定員)異言語・文化専攻(40名)
研究領域言語研究領域/文学・芸術研究領域/歴史・文化・社会研究領域/国際関係領域/観光学領域/実践英語教育領域/実践日本語教育領域
授与学位修士(言語文化学)

博士前期課程の7つの研究領域では、独自の指導体制により分析力や思考力を磨き、専門的知識に基づいた問題発見・課題発見能力を持つ高度専門人材を育成します。国際的に事業展開する企業や国際機関、NGO等の国際社会で貢献できる人材のほか、英語教育・日本語教育の現場でリーダーとして活躍できる人材の育成を目指しています。また、社会人が学びやすい環境も整備しています。職業を有するなどの理由により標準修業年限での修了が困難と認められた学生を対象に、入学金を除く2年分の学費で最長4年まで履修期間を延長できる「長期履修制度」や、実践英語教育領域における「オンライン通学制度」を導入。さらに、実践英語教育・実践日本語教育の両領域では、社会人を対象とした「1年制課程」を設置しており、仕事と学業の両立を協力に支援しています。

特色

教職課程

外国語(英語)または国語の中学校・高等学校教諭一種免許状の取得者は、博士前期課程の実践英語教育領域または実践日本語教育領域の教職に関する所定の科目を履修し単位を修得すれば、外国語(英語)または国語の中学校・高等学校教諭専修免許状が取得できます。2領域以外の領域で研究を進める学生も所定の授業科目の履修は可能ですが、一部の修得単位は修了要件に含まれない場合があります。また、本学の学部出身者で、中学校・高等学校教諭一種免許状を取得していない場合、一定の条件を満たせば、京都外国語大学の科目等履修生制度を利用し、博士前期課程の2年間で外国語(英語)または国語の中学校・高等学校教諭一種免許状を取得できる場合があります。

社会人を対象に、標準修業年限を1年とする「1年制課程」を設置

博士前期課程の標準修業年限は2年ですが、実践英語教育領域および実践日本語教育領域では、2年以上学校で英語教育あるいは日本語教育、国語教育に携わっている人、またはその経験がある社会人に対し、標準修業年限を1年とする課程を設けています。この場合、実践英語教育領域の学生は、土曜日に開講している科目を中心に、日曜日や休暇中の集中講義、夜間の授業を履修する必要があります。なお、勤務形態によっては、1年で修了できない場合があります。また、実践英語教育領域の「オンライン通学」については、こちらをご参照ください。

2年分の学費で最長4年まで延長できる「長期履修制度」

博士前期課程では、職業を有しているなどの理由により、標準修業年限での修了が困難と認められた学生を対象に、入学金を除く2年分の学費で最長4年まで履修期間が延長できる「長期履修制度」を設けています。時間的、経済的にもゆとりをもって履修することができるため、安心して自らの学びと研究に取り組むことができます。希望する場合は、入試出願時に申請する必要があります。ただし、1年制課程の学生はこの制度の対象とはなりません。

  • 長期履修する期間:2年6カ月、3年、3年6カ月、4年
  • 長期履修を認められた者の学費(入学金を除く)
=
【通常の年間(春学期および秋学期)授業料+教育充実費】
×【標準修業年限(2年)】
【長期履修を認められた年数】

優れた業績を上げると、最短1年で修了することが可能。

博士前期課程では、次の要件をすべて満たした場合、「優れた業績を上げた者」と認められ、在学期間を最短1年に短縮することができます。

  1. ① 博士前期課程における修了要件単位を修得した者
  2. ② 修了要件科目の通算GPAが3.5以上の者
  3. ③ 修士論文または個人研究成果報告書において優れていると認められた者
  4. ④ 本研究科が定める学会発表または学術誌への投稿論文がある者

研究支援

本大学院に在学する学生の研究支援として、次の奨励金制度があります。
研究発表奨励金:国内外の学会等における研究発表に対し奨励金が支給されます。
優秀論文奨励金:毎年度9月に開催される研究発表会と、2月に行われる修士論文審査会を経て、優秀な論文であると評価されたものに対し奨励金が支給されます。

研究を深化させる新カリキュラム

地域を越え、本質に迫る。一生モノの「専門知」を手にいれる。

これまでの「地域」で分ける学びから、言語学、文学、文化研究といった「学問の専門性」を研ぎ澄ます学びへ。2026年度、京都外国語大学大学院は、より深く、より汎用性の高い7つの専門領域に再編されました。特定の国に詳しいだけでなく、その事象の本質を解き明かす「確かな理論」と「分析力」を身につける。ここで手にする専門知は、あなたが世界のどこにいても、一生モノの武器になるはずです。

■ 専門性の「芯」が通る体系的な学び

これまでの地域別研究では、その土地の言葉や文化を広く学びました。新カリキュラムでは、言語学、文学といった学問ごとの専門的な手法(ルールや視点)をまず固めます。これにより、どんな対象に対しても専門家の視点で分析できる「揺るぎない専門性」が身につきます。

■ 比較することで「世界」が見える横断的な学び

一つの地域に閉じこもるのではなく、学問の視点を持って複数の地域を横断・比較できるようになります。例えば、「言語学」という学問の専門性を通じて、日本語と英語、さらには他の言語を比べることで、個別の言語を超えた「人間とことば」の本質が見えてきます。

■ キャリアに直結する「汎用性」

修了後のキャリアにおいても、特定の地域に詳しいだけでなく、「言語教育の理論に精通している」「文化事象を社会学的に分析できる」といった専門スキルは、国際機関、教育現場、グローバル企業など、あらゆるフィールドで高く評価される「武器」となります。

2年間をフルに使い切る。入学直後から始まる研究指導。

京都外国語大学大学院では、1年次の春学期から、あなたの研究指導を行う主査を決定します。早い段階で「誰から学ぶか」が定まることで、迷いなく研究のスタートダッシュを切ることが可能です。

  • 1年次からのゼミ所属:主査が担当するゼミ科目に即座に加わり、専門的な議論の場に身を置くことができます。
  • 計画的な論文執筆:早期のテーマ設定が可能になり、2年次の修了間際になって慌てることなく、余裕を持って質の高い研究成果を目指せます。

論文作成スケジュール

修士課程のスケジュール図。1年次に「指導教員(主査)決定」。2年次に「修士論文または個人研究成果報告書題目届・研究計画書提出」、「博士前期課程研究発表会(修士論文等の中間発表)」、「修士論文等提出」、「口述試問(非公開)」の順に進む流れを示しています。

研究領域紹介

言語研究領域

「ことば」の仕組みを解き明かす。

本領域では、言語そのものを主たる対象として、各種の学修・研究を進めます。例えば特定の語彙、文法、文字、音韻等を研究対象にするのはもちろん、時には他の言語との対照や言語文化現象にまで考察の範囲を広げて、言語形式の決定とその運用の中に潜在し活用され続ける原理・法則を確認・発見し、自説として提示することに目標を置きます。また、研究の過程に不可欠な先行研究に対するクリティカルな読みの体得と、自己の研究に対する俯瞰的でフェアな視点の獲得も、本領域での学修と研究において求められる事項です。加えて、他の研究者からの批判も受け止めたうえで自説を立ち上げるという、研究一般におけるプロセスを修了時までに充分に体験し、研究者としての基礎を固めることを目指します。

文学・芸術研究領域

表現の奥底にある「人間」に触れる。

本領域では以下を教育研究目標とします。

  • 多様化する時代のグローバル・シチズンとして国境やジャンルを超えた文学・芸術の新たな価値を発見する。
  • 古典から現代まで時代を超えた普遍的な創造行為として文学・芸術をとらえ、探究する。
  • 自己の背景となる言語・文化を相対化し、国際的な視点での多角的な思考力を身につける。

地域的にはアメリカ・イギリスを起点とする英語圏、スペイン語圏、フランス、イタリアなどのヨーロッパや日本を中心に、文学、舞台芸術、映画、美術、ポピュラーカルチャー(ポピュラーソング、漫画、アニメ等)など多様なジャンルの文学・芸術や文化活動を研究対象とします。
本学の建学の精神に基づき、言語や文化の異なる人々との真の相互理解のために、各言語・文化の深い理解を基盤としながら、多様な時代・地域における創造行為としての文学・芸術の新たな価値を発見・探究し、学術的に定義することを目指します。

歴史・文化・社会研究領域

過去から「いま」を読み解く。

世界各地の歴史、文化、社会構造に関する研究を行います。言語や文化の多様性を尊重しながら、歴史的背景や社会変動を総合的に探究することが特色です。多様な理論的枠組みや方法論を学び、文献資料の精密な分析やフィールドワークを通して、対象を深く理解する力を養います。また、異文化間の相互作用やグローバルな視点からの社会現象の考察も重視しています。この領域での学びを通じて、複雑な歴史的・文化的事象を批判的に読み解く力、多角的に社会を分析する力、そして専門的知見をもとに自らの考察を発信できる力を身につけることができます。

国際関係領域

国境を越え、世界の課題と向き合う。

本領域では、これまでの長年にわたる外国語教育の伝統を基盤に置きつつ、国際関係を分析するための基礎的な概念や理論を踏まえたうえで、東アジアやアメリカを中心とする世界各地域の情勢を理解するための専門科目群(特に地域研究領域に関する科目)を配置しています。その際、歴史学(国際関係史)や政治学(比較政治学)を軸とする一方、比較文化の視点から国際関係や地域情勢を分析するための知識や研究手法も学びます。さらに、現代の複雑な国際関係を分析するにあたって、NGO(非政府組織)や多国籍企業、国際機構(国連等)といった国家以外のアクター(行為主体)も分析対象にします。国際的な視野と感覚を養いながら、議論・発表する能力や学術的な文書を作成する能力を高めることができます。

観光学領域

「旅」から新しい価値と地域を創る。

現代社会において、自然・文化・人間が複雑に絡み合う観光現象はグローバルな広がりを見せており、世界の各地域や人々の生活に多様な影響を与えています。日本社会の文脈では、訪日観光客の増加に伴い観光収入が増加する一方で、観光産業の生産性の向上や観光客の一部地域への集中といった社会的課題が存在します。今後、観光政策や観光ビジネスは、自然・経済・社会・文化の持続可能性の実現を理念として推進される必要があり、そのためには、複雑な観光現象をさまざまな学問分野の視点から分析できる人材が不可欠です。本領域では、経済学・経営学・観光文化論・メディア論・まちづくり論に造詣の深い教員陣の指導のもと、最先端の国内外の理論や現象を学び、京都という日本の観光の中心地において、多角的に観光現象を分析する力を身につけることができます。

実践英語教育領域

英語教育の未来を創る。

本領域には、理論と実践の両面から英語教育に関わるさまざまな科目が配置されています。ほとんどの講義は平日夜間、土曜日・日曜日、長期休暇中の集中講義で行われているため、現職教員も参加可能です。また、独自の制度として、教育機関での半年以上の英語授業実施に対して、訪問指導や個人指導で指導力を着実に伸ばし、その成果を単位認定することができます。そのような多彩な学びを通して、英語教育において卓越した指導力を発揮できる教育者の育成を目指します。

TOPICS オンライン通学

仕事や遠隔地等の理由により対面受講が困難な場合、各学期で指定された授業科目にそれぞれ2回程度対面参加することを条件に、その他はすべてオンラインで受講することが可能です。

実践日本語教育領域

日本語で、世界と日本をつなぐ。

国内外の日本語教育現場では、日々さまざまな課題が生じています。本領域では、課題を解明する方法論の基礎作りをし、日本語教育の実践力を向上させることを重視した教育課程を用意しています。
社会制度・教育制度が関係する問題から、学習者の習得中の日本語を含めた日本語の言語現象に関する問題、日本語習得を妨げる要因などに関する問題まで多種多様な課題があります。それらの中ですぐに解決できない問題を研究対象として適切な理論を用いるなど学術的に解明し、修士論文作成過程において論理的に伝える力を習得することによって、課程修了後も日本語教育の現場で分析力のあるリーダー・専門家となることを目指しています。入学してくる学生には、国外からの進学者や日本語教育の現場で活躍している現役の日本語教員もおり、多様で刺激的な研究環境です。

※本領域では、日本国内の認定日本語教育機関で教えるのに必要な「登録日本語教員」の資格取得を目指すための科目や課程は設置していません。

授業科目一覧

授業科目一覧
領域科目区分授業科目名
言語研究領域専門ゼミ言語学研究ゼミⅠ〜Ⅳ
ヨーロッパ言語研究ゼミⅠ〜Ⅳ
東アジア言語研究ゼミⅠ〜Ⅳ
ユーラシア言語研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群言語学特論Ⅰ~Ⅲ
専門科目B群言語学特殊研究Ⅰ~Ⅴ
文学・芸術研究領域専門ゼミ文学・文芸研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群文学・文芸特論Ⅰ~Ⅳ
専門科目B群文学・文芸特殊研究Ⅰ~Ⅷ
歴史・文化・社会研究領域専門ゼミ歴史文化研究ゼミⅠ〜Ⅳ
社会文化研究ゼミⅠ〜Ⅳ
比較哲学・宗教学研究ゼミⅠ〜Ⅳ
比較社会学研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群歴史文化特論
社会文化特論
専門科目B群歴史資料特殊研究
表象文化特殊研究Ⅰ・Ⅱ
現代社会特殊研究
宗教哲学特殊研究Ⅰ・Ⅱ
対日交流特殊研究
国際関係領域専門ゼミ国際関係研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群国際関係特論Ⅰ~Ⅲ
専門科目B群国際関係特殊研究Ⅰ~Ⅵ
観光学領域専門ゼミ観光計画研究ゼミⅠ〜Ⅳ
観光メディア研究ゼミⅠ〜Ⅳ
観光文化研究ゼミⅠ〜Ⅳ
観光経済研究ゼミⅠ〜Ⅳ
観光経営研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群観光学特論Ⅰ・Ⅱ
専門科目B群観光学特殊研究Ⅰ~Ⅴ
実践英語教育領域専門ゼミ英語教育学研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群英語教育実践演習Ⅰ~Ⅲ
英語教育リサーチメソッド
専門科目B群英語教育学特論Ⅰ~Ⅳ
英語指導法Ⅰ~Ⅲ
英語教育学演習Ⅰ~Ⅲ
実践日本語教育領域専門ゼミ日本語教育学研究ゼミⅠ〜Ⅳ
専門科目A群日本語指導法Ⅰ~Ⅲ
専門科目B群日本語教育実践研究Ⅰ~Ⅲ
日本語教育特殊研究Ⅰ~Ⅳ
日本語研究Ⅰ~Ⅲ
共通科目共通科目研究基礎論概説
データ科学Ⅰ
学びの認知科学
国際協力研究Ⅰ・Ⅱ
国際ビジネス研究Ⅰ・Ⅱ
言語と平和研究Ⅰ・Ⅱ
コミュニケーション能力とテスティング

Student's Voice

ジャズの発祥に大きく貢献した「クレオール」に着目。
彼らの足跡をひもとき、アメリカ史研究の一端を担う。

博士前期課程2年次生 言語文化コース/英米地域 鈴木 敏男さん

博士前期課程2年次生 言語文化コース/英米地域 鈴木 敏男さん

海外営業として働いていた頃から、アメリカ史と同国発祥のジャズについて研究したいという思いがありました。ジャズは黒人音楽とヨーロッパ音楽が融合して生まれたとされますが、その橋渡しを担ったのがニューオーリンズのクレオール(ヨーロッパやアフリカ、先住民などの多様なルーツが融合した独自の文化背景を持つ人々)です。彼らの文化や生活をひもとき、ジャズの成立にどのように寄与したのかを考察しています。研究においては自身の研究分野だけでなく、文学や言語学など他分野の知見に触れることも重要です。本大学院は研究領域が幅広く、多様性に満ちた学びの中でさまざまな「気付き」を与えてくれます。現在扱っている研究テーマをライフワークとし、アメリカ史研究の一端を担っていきたいと思います。

ブラジルにルーツを持つ若者の大学進学の実態を分析。
進学過程での課題を明らかにし、教育現場に還元する。

博士前期課程2年次生 実践言語教育コース/日本語教育 足立 愛結さん

博士前期課程2年次生 実践言語教育コース/日本語教育 足立 愛結さん

京都外国語大学ブラジルポルトガル語学科に在籍していた私は、「日本語教育」と「在日ブラジル人」というテーマを結び付けて研究できる環境を求め、本大学院に進学しました。現在はブラジルにルーツを持つ若者の大学進学に焦点を当て、進学過程で直面した課題や対応策について研究しています。その実態をインタビュー調査から掘り下げ、研究成果を教育現場に還元したいと考えています。本大学院は少人数制の授業に加え、経験豊富な先生方のもとで理論と実践の両面から深く学べる点が魅力です。多様なバックグラウンドを持つ大学院生との交流機会も多く、自分にはない価値観に触れる中で多角的な視点が養われました。この場所で培った知見を生かし、将来は日本語教員として活躍したいです。

KUFS PEOPLE

#博士前期課程