
3月16日護王神社で少雨の中、48名の参加者が懐かしく顔を合わせた。境内には日本一巨大な「さざれ石」が鎮座している。運良く神前結婚式があり、福を分けて貰ったような、得をした気分で会場の松本明慶佛像彫刻美術館へ向かった。
エントランスは、実際の内部の奥深さ、展示仏の多さ、広さからは予想を裏切る小ささで、我々の靴がかろうじてドアの中に入った。
大仏師による展示仏の説明で、「寄木造り」のミリ単位の緻密な手作業に触れて、また、質感、色合い、動きまでを表現している完成度の高さに、驚嘆した。
「一木造り」の説明では、原木の中に存する御仏のお姿が際立つよう、余分なものを取り払うだけの、設計図も計画書もない仕事だと述べられた。原木の中にお姿が見えるとの境地は、師と出会い、修練を積み上げてきた中での開眼だったとのお言葉がありました。
「仏像は仏の目の高さで鑑賞しなければなりません。」10頭身で設計されているお顔は、見る側の心模様を投影して、怒りであったり、喜びであったりする。
無垢の童子の像は、目を合わせれば、微笑みえを禁じ得ない、やさしい気持ちが不思議と湧いてくる。
「心の中の「鬼」の姿を、心がけ次第で「魅力」に変えることだって可能だ。」自分が変わる事で、周囲の見え方が変わり、他者の見る目も変わることを、鬼の像を見せながら話された。
お話の最後に、経験と技術だけでなく、精神をも後進に引き継ぎたいとの決意を語られました。
ほんの数時間の滞在でしたが、展示された仏像との出会を機に、これまでと違った気持ちを感じ取れ、新たな気持ちで美術館を後にした。
京都支部 田中道博
