WEB版稀覯書展示会

De imitatione Christi
KEMPIS, Thomas a

Venezia : 1483

ケンピス 『キリストに倣いて』

  トマス・ア・ケンピス(Thomas a KEMPIS, 1379-1471)は、ドイツのケルン司教区に 属する町ケンペンで生まれた神秘主義者で、早くから共同生活の兄弟団とよばれる修道 会に入り、敬虔な修道士として生涯を神に捧げた。
 本書は、聖書についで最も広く読まれてきた中世のキリスト教信心書である。もとも と修道者を対象に書かれたものであるが、一般信徒にも愛読され、今日なお、キリスト 教徒の内面生活を語る古典的名著の一つに数えられている。内容は「霊的生活の有益な る勧め」、「内的生活の勧め」、「内的慰安について」、「聖体に関する敬虔な勧告」 の4部からなっているが、その根本理念はキリスト教的完徳への道を示すものであり、 世俗の軽視・苦行・克己・献身・聖体拝領の勧めなどである。
 初版は1473年に出版されたが、本書は1483年にヴェネツィアで出版されたものである。 現在では、ほとんどすべての言語に訳されており、その意味では世界文学に属するとい えよう。最初の邦訳は、1596(慶長元)年に当時の宣教師によって『コンテンツスムン ヂ』なるラテン語原文(Contemptvs Mvndi)そのままの書名でキリシタン版が出版され ている。

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