Biblia Sacra
Venetiis : 1475
『聖書(ラテン語)』
聖書の原典は旧約がヘブライ語、新約がギリシア語とされている。ラテン語訳の聖書にも古ラテン語訳とウルガータの2種類がある。ウルガータは、5世紀にローマの聖人で聖
書翻訳家および釈義家でもあったエウセビウス・ヒエロニムス(Eusebius HIERONYMUS, 342?-420?)によってヘブライ語およびギリシア語から翻訳され、西洋文化に根源的な影
響を与えた。しかし、ウルガータが公認されたのは、1546年のトレント公会議であった。 今日使用されているラテン語聖書の殆どがウルガータであり、ローマ・カトリック教会
でも用いられている。 グーテンベルクの印刷機の発明により、ヨーロッパ各地で聖書もこれまでのマニュスクリプト(写本)から印刷機が使われるようになり、イタリアで聖書のラテン語訳の最 初の印刷は、ローマにおいて1471年、ヴェネツィアにおいては1475年となっている。 本書は、1475年にヴェネツィアで出版されたラテン語訳聖書のインキュナブラ(初期 印刷本)である。末尾にインデックスが付いている。 |