WEB版稀覯書展示会

Historia naturale
PLINIUS
Venesia : 1489

プリニウス 『博物誌』

  プリニウス(PLINIUS, 23?-79)は古代ローマ帝国の政治家、著述家で、北イタリアのコームム(現在のComo)に生まれた。首都ローマで騎士としての教育を受け、ゲルマニアで騎兵士官として勤務し、後のティトゥス帝(39-81)とも交際があった。学問、ことに博物学に関心が深く、ネロ帝(37-68)の頃引退し著述生活に入ったが、後に政務官として活躍した。
 現存する『博物誌』は、古代ギリシアよりローマに至る2千冊以上の書物より諸種の事項約2万件を抜書して集めた一種の百科事典的な書物で、完成後ティトゥス帝に捧げたとのことである。  本書はラテン語版よりクリストフォーロ・ランディーノ(Christoforo LANDINO)がイタリア語に訳したもので、第3版(初版本は1476年)である。
 プリニウスは自然科学者ではなかったので、観察や記述に学問的正確さを欠く箇所も見られるが、よく整理された知識が記載されていることから古代研究には不可欠の資料といわれている。
 このイタリア語版が出版された当時のヨーロッパは、ルネサンスの最盛期であり、本書が古代研究の復興に果たした役割は少なくなかったことが伺われる。

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