貴重書コレクション展示会二次利用について

倭漢三才図会

(Wakan Sansai Zue)

寺島良安編

本書は江戸中期に大坂の医師で雑学者の寺島良安(てらじま りょうあん、生没年不明)が編纂し、出版したものです。良安の詳しい経歴は不詳ですが、大阪城の御城入医師として医業に励むかたわらで、和漢学に広く通じていたと言われています。その彼が中国、明の時代に王圻が編纂し刊行した『三才図会』に倣って本書の編纂をはじめ、30余年の歳月をかけて1712 年(正徳2)ころ完成させました。  本書は105巻 81冊 からなる大書で、内容は漢文で書かれています。日本と中国の古今の事物を天文、人物、器物、地理などに分類し、図入りで解説しており、彼自身による解釈や意見も記されています。その内容から江戸時代中期の文化を知る有益な文献として評価されています。