MARINI, Gio. Filippo de
Delle missioni de padri della Compagnia di Giesv
Roma, 1663

マリーニ 『イエズス会布教録』

  ジョヴァンニ・フィリッポ・デ・マリーニ(Giovanni Filippo de Marini, 1608-1682)は、イタリア西北部のサンレーモ(San Remo)に近いタッジャ(Taggia)で生まれた。1625 年にイエズス会に入り、東洋での布教を志して1638 年にインドへ渡った。その後トンキン(ベトナム)で14 年間伝道し、さらにマカオにも赴き、同地のイエズス会コレジオの学長も務めた。一時ヨーロッパに戻ったが、1674 年には東洋管区長として赴任し、1682 年マカオで没した。
 マリーニがインドに赴いた頃の日本は、既に極めて厳しい禁教令が施行されており、彼は日本に一度も渡来したことはなかった。そのため本書の標題紙には、「日本およびトンキンにおけるイエズス会士の布教」と記されているが、本書の中の日本に関する部分は極めて少なく、記述の大部分は当時日本管区の中に含まれていたトンキンやシャム(タイ)におけるイエズス会士の布教活動に関するものである。
 本書の構成は全5 篇からなっており、第1 篇はトンキンの地理、言語、習慣、年中行事、第2 篇はキリスト教布教の現状や布教方針、第3 篇は1655 年から1659 年までの布教報告、第4 篇はコーチンシナ(ベトナム)、第5 篇はラオスについての記述である。なお、巻頭には1626-1660 年の間トンキンで活躍した宣教師や修道士44 名の名簿が載せられており、本書の著者マリーニをはじめ、アントニオ・カルディン(Antonio Francisco Cardim, 1596-1659)などの名前に交じって、日本人宣教師で洗礼名ジュリオ・ピアニ(Giulio Piani)なる名前も見られる。
 本書はローマで刊行された初版本であるが、巻末にはトンキンの人物を描いたイラストがある。さらに、折りたたみ式の挿画がついているが、これは大変珍しい。トンキン国王の船を表すもので、銀色の花模様の入った黄色の紙に印刷されている。

展示目録 『日本をヨーロッパに紹介した戦国期の宣教師たち』 より

   資料ID:M01000(書誌詳細画面へ接続)


        
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