高野長英訳 『三兵答古知幾』

安政3(1856)年

 「さんぺいたくちーき」と読む。三兵とは歩兵、騎兵、砲兵を指し、タクチーキとは用兵術のことをいう。広義の戦術書ということができよう。基はプロシアのハインリヒ・フォン・ブラント将軍の原著をオランダ人イ・ファン・ミュルケンがオランダ語に訳し、それを高野長英が重訳したものである。
 訳者高野長英は、陸奥水沢の出身。江戸に出て杉田伯元の門に入り医術と蘭学を修めた。また、長崎でシーボルトの門下生となってドクトルの称号も得ている。その後、江戸で町医者として活躍するが 『夢物語』 を著して幕府の対外政策を批判し逮捕された。長英は脱獄して潜伏生活に入り、嘉永3年(1850)に幕吏に追われて自殺を遂げた。
 本書は長英の潜伏時代に翻訳したもので、刊年不明版、安政3年版、慶応2年版の内の安政3年版に当たる。本書の構成は、目録1巻、本文27巻全30冊である。

展示目録 『日蘭交流400周年記念稀覯書展示会』 より

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