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モラエスの著述中で、その分量に於いて他を圧しているのは『日本通信』である。全部で6巻。その内訳は、副題「日露戦争前」(1902~1904年)1冊、副題「日露戦争」(1904~1905年)1冊、副題「日本生活」(1905~1906年)1冊、さらに第2集として(1907年~1908年)1冊、(1909 年~1910年)1冊、(1911年~1913年)1冊となっている。これらは何れも「通信」の形式を採って書いたもので、日本を見、かつ感じたままを、ポルト市の著名な新聞「コメルシオ・ド・ポルト」に送ったものが次々に連載の上、集録されて一冊に収められていったものである。当時の日本の政治外交、通商、経済、社会産業、文芸など、広く日本文化に関する報道を扱ったもので、たとえ文学的価値に乏しくとも、文化史的価値を持つ書と言える。
展示目録 『鎖国期をはさんだポルトガル人の日本研究』 より |
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