大槻玄沢著 『六物新誌』 付 『一角纂考』

寛政7(1795)年

  本書は二書の合本で、一書は蘭学者大槻玄沢が天明6年(1786)に刊行した 『六物新誌』 であり、他の一書は彼が天明5年に訳出し、本草家木村孔恭が同6年に著述、寛政7年に発行した 『一角纂考』 である。 『六物新誌』 の六物とは、一角(ウニコール)・洎夫藍(サフラン)・肉豆宼(ニクヅク)・木乃伊(ミイラ)・噎蒲里哥(エブリコ)・人魚の事で、蘭書に出ている説を紹介した上、批判、検討を加えている。序文は杉田玄白、跋文は蘭医小石元俊が撰述、洋画家司馬江漢の巧みな挿絵を多く収め、理解を容易にしている。本文上巻ではグリーンランド近海の一角魚の記述より始め、洎夫藍の説明及びその効用、肉豆宼の特徴、効用などにわたって記し、下巻にはアフリカ州リビアの属国エジプトの木乃伊の事や、さるのこしかけ科のきのこである噎浦里哥および人魚に関して述べている。
  また、合本された 『一角纂考』 は J.Andersson の 『グリーンランド地誌』(蘭語版)所収の 『一角之条』 を基にして著した書とみられ、序文は桂川甫周が撰述、上・下巻にわたり、一角獣や一角魚に関して図解入りで説明している。本書即ち 『六物新誌』 及び 『一角纂考』 は、いずれも、西洋博物学の移植に大いに貢献したことはいうまでもない。

展示目録 『西洋との出会い』 より

   資料ID:176134(書誌詳細画面へ接続)


        
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