ゴローニンは、 ロシアのリャザン県出身の軍人で1809年カムチャッカへ赴任して以来、 沿岸調査に従事していたが、 1811年 (文化8)、 国後島で松前藩士に捕らえられて函館に送られ、 26カ月と26日の長期にわたって監禁された。 本書は松前、 函館における幽囚生活を克明に記録したものである。 ロシアで1815年に雑誌に分載、 翌16年に刊本とされたもので、 すぐにドイツ、 オランダ、 イギリスなどヨーロッパ各国語に訳出された。 日本においても、 幕府が馬場佐十郎に本書のオランダ語訳本 (1817年刊) からの翻訳を命じた。 これは1825年 (文政8) に訳了して《遭厄日本紀事》と名付けられている。
V. M. Golovnin was a soldier from the Russian province of Rjazan. As a naval officer, he participated in the war against Napole´on, and in 1809, was posted to Kamchatka. He was subsequently involved in a coastal survey, and in 1811, was captured in Kunashiri by a Matsumae clan retainer and sent to Hakodate where he was imprisoned for 26 months and 26 days. |