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2016年11月10日

  京都外国語大学ラテンアメリカ研究所
特別講演会


     「マヤ地域における文化的肉体変工の考察 : 歯牙装飾と頭骨変形に関して」



「文化的に己の肉体を変工する(Biocultural modifications)」。これは歴史的にも広く人類史に知られた行為である。現代で言えば、若者達が自らのアイデンティティを誇示するために入れるタトゥーや、美的観点からのピアシングもそれに当たるものであるし、古く古代ギリシアではヘロドトスやヒポクラテスが当時エジプト領で行われていた頭蓋骨の文化的変形を記録している。もちろん古代マヤ世界も例外ではない。タトゥーやフェイスペイントはもちろん、頭骨変形や歯牙装飾等の恒久的な肉体変工も積極的に行われ、碑文や壁画等で当時の人々の生き生きとした姿を見ることができる。本発表はこういった文化的、恒久的な肉体変工を古人骨上で直接同定し、これを彼らの考古学的な発掘コンテクストや副葬品と複合解釈することによって、その社会的な意味を再検証・議論するものである。従来型の考古学では支配階級のシンボルとされている古代マヤの頭蓋変形は、本当に支配階級だけのものなのか?歯牙装飾の目的は?こういった疑問に一定の解答を示す。

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