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2016年11月8日

  京都外国語大学ラテンアメリカ研究所
第16回ラテンアメリカ研究講座


     「資料と向き合うということ : ラテンアメリカ先住民社会研究の今」



メソアメリカ及びアンデス地域の研究が我が国で始まったのは、1950年代の後半からであり、それからすでに60年近くの歳月が流れた。現在、日本における両地域の研究者の数は相当数にのぼり、フィールドと日本を往復して調査を行い、国際学会で発表することが当たり前のように行われているのは誠に喜ばしい。しかし、最近では専門性の度合いがさらに進み、学会やシンポジウムはテーマ設定を極めて限定したものが催されることが多くなった。学際的かつ地域横断的な議論は、それを意図して企画しない限り、なかなか成立しがたいのである。
 そこで、今回第16回ラテンアメリカ研究講座では、メソアメリカ、アンデス両地域の研究者を集め、最新の研究成果の発表というよりも、むしろ、それぞれの分野における資料の問題、すなわちその種類と性質、扱う際に生じる様々な問題、その解決法、それに基づいた最近の自分の研究について発表していただこうと思う。これによって、一方で発表者が自分の研究の創造過程を他の人々と共有することによって、かつ異なった分野の専門家と議論することで、新しい地平を開く端緒になることを意図したい。また、ラテンアメリカ先住民社会研究の「今」という最前線で苦闘する研究者たちの姿を通して、豊かなアプローチの存在と研究の醍醐味を、その舞台裏までも覗いていただくことによって感得していただきたいと思う。

プログラム

12月3日(土)
会場:国際交流会館4階会議室

09:30     開会の挨拶                               
09:50-10:30   「メキシコ西部村落において語られる『伝統』とその実践』
          川本直美(京都外国語大学)
10:30-11:15 「4,500mで牧畜民と対話しラクダ科動物利用の現在を考える」
         鳥塚あゆち(青山学院大学)                     
11:15-11:25 休    憩                                 
11:25-12:10 「メソアメリカ地域で用いられた技術の復元における実験考古学の新しい成果」
        Alfonso Garduño Arzave (メキシコ国立自治大学)    
12:10-13:20 昼 休 み                                  
13:20-14:05  『古人骨との対話:人骨資料の多様な考古情報を複合解釈することによって得られ
         る新たな「古代」。グアテマラ共和国南海岸地域レイノサ人骨群からの展望』
         鈴木真太郎(デル・バジェ・デ・グアテマラ大学)
14:05-14:50 「16世紀中央アメリカの財政記録を読み解く:チアパス地方における金の採取と
         先住民の奴隷労働」 
         小原 正(慶應義塾大学)                         14:50-15:00 休   憩                                  
15:00-15:45 「時の流れの中でマヤ文書を読む:先住民資料分析の新しい視座」 
         大越 翼 (京都外国語大学ラテンアメリカ研究所)      
15:45-16:15 全体議論                                
16:20 閉会の挨拶

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