2016年9月9日
日伊国交樹立150周年記念展示
「近代日本のイタリア発見ー岩倉使節団の記録からー」
岩倉使節団は1873年(明治6)年5月の約1ヶ月間、イタリア各地を訪問しました。すでに米・英・仏・独などの欧米各国を歴訪し、近代国家の仕組みや最新の技術を見学してきた彼らに、イタリアは驚きの印象を与えました。すなわち、西洋文明の源流がイタリアにあることを岩倉使節団は実感・認識したのです。
日本とイタリアとの交流はキリスト教の布教に端を発し、天正遣欧少年使節(1582年)や伊達政宗による慶長遣欧使節(1613年)などがよく知られています。近代以降も、ほぼ時を同じくして国家の統一を果たしたという共通点のもと、日本とイタリアは、文化や産業を中心に様々な分野で友好を深めてきました。その端緒のひとつとして岩倉使節団のイタリア訪問を挙げることができます。
日伊国交樹立150周年を記念して行われる本展では、岩倉使節団のイタリア訪問を「Ⅰ 岩倉使節団の成立」、「Ⅱ 欧米への路–岩倉使節団のイタリア滞在」、「Ⅲ 岩倉使節団の成果」の3部構成で紹介いたしました。
■主な出品作品
『米欧回覧実記』初版本、原稿、挿絵銅版画
久米邦武による米欧回覧持ち帰り資料 など57件
《関連企画》
■特別展示
会期中、京都外国語大学図書館所蔵のダンテ・アリギエーリ『神曲』や、カルロ・コッローディ著『ピノッキオの冒険』(初版本)など貴重書約20点を展示。
■シンポジウム
11:00-12:00
基調講演 Conferenza inaugurale
平川祐弘(東京大学名誉教授) 「イタリアの発見・イタリアの魅惑 その100年」
HIRAKAWA Sukehiro (Professore emerito, The University of Tokyo): “Il fascino dell’Italia: cento anni di percezioni e immagini”
13:30-14:00
鈴木栄樹(京都薬科大学) 「1880年代後半における日本人政治家たちのイタリア〈観光〉」
SUZUKI Eiju (Kyoto Pharmaceutical University): “Il turismo italiano dei politici giapponesi alla fine degli
anni ’80 dell’800”
14:00-14:30
平石典子(筑波大学) 「イタリア文学を読んだ人、読ませた人―明治日本のイタリア文学」
HIRAISHI Noriko (University of Tsukuba): “La letteratura italiana nel Giappone Meiji: i modi di diffusione
e i suoi lettori”
14:30-15:00
末永航(美術評論家) 「大正教養世代の知識人とイタリアの旅」
SUENAGA Kō (Critico d’arte): “I viaggi in Italia degli intellettuali giapponesi nella prima metà del 900”
15:30-16:00
和田博文(東洋大学) 「深尾須磨子のイタリア紀行」
WADA Hirofumi (Toyo University): “La poetessa giapponese Fukao Sumako (1888-1974): uno sguardo
sull’Italia alla vigilia della seconda guerra mondiale”
16:00-16:30
Reto HOFMANN (Monash University, Australia) : “Shimoi Harukichi and the Cultural Politics of Fascism”
16:30-17:30
ラウンドテーブル・ディスカション
Tavola rotonda
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◇展覧会名:「近代日本のイタリア発見ー岩倉使節団の記録からー」
◇会 場:京都外国語大学国際文化資料館(第二分館10号館4階)
◇開催期間:2016年10月1日(土)~10月31日(月)
◇休 館 日 :日曜・祝日
◇開催時間:10:00~17:00
◇主 催:京都外国語大学、イタリア東方学研究所、久米美術館
◇後 援:イタリア大使館、イタリア文化会館
◇企画協力:一般社団法人霞会館
◇協 力:株式会社イタリア書房
◇協 賛:一般社団法人東京倶楽部、イタリア文化会館大阪
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