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iiiはじめにはじめにラテンアメリカ世界に関する様々な分野での研究は、二十一世紀に入ってから細分化がさらに進み、文字通りの地域研究が深化してきていると同時に、グローバル化の下で、地域を超えた「世界史」的・俯瞰的な視野から相互の関係をあぶり出す方向が明確になってきている。それがどの方向であれ、それぞれの研究は学際的性格をなお一層強め、かつ国際的共同研究を基盤として進めるのが当たり前になってきたと言っていい。 研究成果の出版も、電子媒体を積極的に用いることにより、以前にも増して盛んになってきているのは否定できない事実である。その中にあって、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所は、これまで培ってきた四十年の研究・教育の蓄積をもとに、研究員相互の連携をさらに強めると同時に、海外の研究機関や研究者らと緊密な連携を取りつつ研究活動に力を入れていくことを通して、時代の要請に応えることとした。具体的には、今後、従来から開催してきた春の教養講座、秋の研究講座、内外の研究者を招いての講演会はもちろん、新たに研究所内でのIELAK研究会やランチタイム・トークを開催し、さらにはニューズレター『いえらっく』の内容の充実、紀要における査読体制を確立して、学術研究機関としての存在意義をより強めていく予定である。以上を踏まえて、私たちは二〇一八年十二月七日、八日の二日間、「京都外国語大学ラテンアメリカ研究所の現いま在」と題する第十八回ラテンアメリカ研究講座を開催した。これまでになかったことだが、今回の講座には研究所の研究員全員が参加し、それぞれの研究成果を具体的に発表し、まずは私たちがこの新たなるスタートラインに立っていることを自覚することができた。さらにフロアも交えての活発な議論を通じて、相互の連帯感が強まったばかりでなく、共同研究実現への道筋も見えてきたことは誠に意義のあることだった。言うまでもなく、各研究員のテーマは多岐にわたっており、それはラテンアメリカ社会が内包する現実をよく反映していると同時に、この研究所が持つ学術的豊かさや可能性を示すものである。今回研究所が新たに設けた出版媒体としてのIELAK Publication Seriesの最初の本として出版するのは、第十八回ラテンアメリカ研究講座で得られた成果をもとにした論文・研究ノートである。最初に、設立四十周年を迎えた研究所に対して、前研究所長であり京都外国語大学名誉教授でもある辻豊治先生にご寄稿いただいた。先生のお言葉は、これから研究機関としてさらなる拡充を目指す私たちにとっては、その方向性が内的なものだけではなく、関西の他大学との研究提携も視野に入れるべきであるという示唆に富んだものであり、国外諸機関との学術教育交流を緊密化するという目標とともに、その実現に向かって粛々と歩を進めていきたい。さて、論考の最初は南博史研究員の「先スペイン期アメリカ地中海の交流に関する考古学的研究」と題するものだ。南研究員は、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所および国際文化資料館の国際共同研究として、先スペイン期アメリカ地中海の交流に関する考古学的研究を実施している。論考では、二〇一三年から開始したニカラグア北部山間部での「考古学と博物館を仲介者とした実践的地域研究」を皮切りに、ニカラグアのカリブ海側、エルサルバドル太平洋側タマニケおよびコスタリカ太平洋側オサ半島で実施している考古学および博物館研究をもとにした研究の背景と目的、成果と今後の課題をまとめている。最後に、中間地域とされてきた当該地域が、古代メソアメリカと古代アンデスをつなぐ重要な役割を果たしていたことを実証的に明らかにし

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