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17先スペイン期アメリカ地中海の交流に関する考古学的研究4 まとめ―今後にむけてこのプロジェクトを開始した当初は、アメリカ地中海各地域での「ヒトとモノの交流」に関する情報は断片的であった。しかしながら、アメリカ地中海を道としてとらえ、当時の人々はその目的と方法によって、動く選択肢(ルートとモノ)が多様にあったという仮説を立てることが十分可能なところまで、各地のフィールドの状況と関連資料を収集できたと考える。具体的には①ニカラグア・ラスベガス遺跡における遺跡開始年代が紀元前後から一〇〇〇年以上継続していた可能性が明らかになった。加えて太平洋側とカリブ海側の東西交流、ホンジュラス・エルサルバドルから中米南部への南北交流の中心的なセンターであった可能性を踏まえて、②太平洋側、カリブ海側、とくにカリブ海側との河川交流について発掘調査を実施する目的(土器の編年研究だけではなく総合的研究)が明確になったこと。③岩刻画の分布と配置と文様の相関関係の調査をもとにカリブ海と内陸部の交流を分析できるフィールド研究の方法が明確になったこと、④ヒスイと金製品が一緒に出土するコスタリカにおいて、とくに太平洋側の交流について考古学調査を実施できると考えている。これらの研究を進めることで、この仮説を立証するための研究課題を具体的に明示していくことになる。今後は、これを踏まえてアメリカ地中海内水面だけではなく、それを取り巻く「環アメリカ地中海」、具体的には中米から南米にかけての太平洋側(アメリカ地中海南部)、およびカリブ海島嶼を含む大西洋側(アメリカ地中海北部)を含めた「ヒトとモノの交流」の視点から、引き続き地道な考古学調査を実施する。そして、考古学を中心としたアメリカ地中海総合学術研究を関係諸国、諸機関と連携しながら進めていきたい。注(1) 地中海の名称については、海洋学などから「大陸または大陸の半島、島嶼などによって他の海から区切られた海」と定義する。日本の環境省では、メキシコ湾をヨーロッパ地中海と同様に閉鎖性海域と位置づけている。(2) 在ニカラグア日本大使館HP「ニカラグア政治経済情勢」より。(3) 運河計画には直接関わらないが、二〇一八年四月に発生しニカラグアの社会・経済に大きな影響があったニカラグアの反政府運動に始まる治安悪化とそれに対する政府の対応は、中米でもっとも治安の安定した地域でありながら、その背景に多くの課題があることがあらためて明らかになった事件である。(4) たとえば二〇一八年十月にはエルサルバドルにおいて第一回エルサルバドルパブリック考古学国際シンポジウムが開催された(Méndez, Morán, Minami, and Murano 2019)。(5) 京都外国語大学国際文化資料館が、二〇一八年と二〇一九年の二回にわたって中米のグァテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカから博物館関係者を招聘し、開催したICOM2019京都大会記念国際シンポジウム「中米地域社会と博物館」では、パブリック考古学が中米の地域社会が抱える問題にどのように関わっているかの発表が多かった。南博史は、その統括の中で、各国の独自性と共通性を踏まえた緩やかな連携の重要性に触れた。(6) 各国日本大使館HPの二〇一八年世銀などの基礎データから集計。(7) 外務省HPより、https://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/faq/area/latinamerica.html、参照。二〇二〇年三月三十日最終閲覧。(8) 二〇一四年のキューバ難民の事例では、約三十三週間でユカタン半島に漂着している。(9) Light Detection and Rangingの略。樹木を透過するレーダー測量が可能なため樹木に覆われた遺跡の発見に大きな成果をあげている。そのきっかけになった遺跡である。(10) 世界銀行『世界開発報告 2013』では、ニカラグアにおける一人あたりの国民所得は中米で最も低い一八〇〇 ドルとされていた。(11) 二〇一三 年度版『貧困プロファイル ニカラグア共和国』、独立行政法人国際協力機構

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