12いたことがわかった。以上を踏まえて、この土坑がマウンド一の主体部であると判断した。また、小石の層と硬い土の層が交互に重なるマウンドの構造が明らかになった。遺跡の開始年代が紀元前後に遡ることから、マウンドの増築、改築年代の調査が課題となる。b.測量調査二〇一七年に行った約四万四〇〇〇㎡の精密測量によって、これまでに確認されていた約四十のマウンド群は広場を囲むように配されたマウンド群とそれを区画する溝、あるいはこれらが位置する円形の大型基壇とその周辺に配されたマウンド群で構成されることが明らかになった(図4)。また、これらのマウンド配置がキラグアの山並みと何らかの関係があるのではないかと推測している。マウンド上層部で確認した集石群の一部にも方位との関連を示唆した例を確認しており、各マウンドの配列関係を考察することが今後の重要な研究テーマである。c.遺物研究ⅰ.土器現時点において、ラスベガス遺跡では完形品が出土しておらず、また土器表面の劣化が激しいため、器形と器面調整などの製作技法の同定が困難である。したがって、器面に施された装飾の種類の分類と分析に留まる。約二〇〇点の分析を実施したが刻線文や刺突文、条痕文や赤色化粧土など、アメリカ大陸で広く見られる装飾が中心で、現状ではまだラスベガス遺跡の土器相は曖昧なままと言わざるを得ない。他地域の土器との比較から、おおまなか遺跡の年代について指摘しておく。今のところニカラグア太平洋岸の土器編年(長谷川 二〇一六、二二三―二四一頁)などを適応するしかないが、ラスベガス遺跡ではサポア期に属する多彩文土器がほとんど出土しないことから、バガセス期以前に遺跡が繁栄したのではないかと考える。しかしながら、出土状況は不明確だがカリブ海側の特徴を持つ土器片もある。また、マウンド一の造成年代に関わるC14 年代も考慮しないといけない。今後は、さらなる発掘調査による土器の出土層位の確認と他地域との比較研究から、ラスベガス遺跡の土器相を明らかにしていくことになる。ⅱ.石器約一二〇〇点の石器の分析を行った。これによればラスベガス遺跡では、チャート製の石核と剥片が多量に出土しており、また破損した石皿や磨石、磨製石なども出土している。石器組成をみると、石核と剥片の多さから、ラスベガス遺跡では石器製作が行われていた可能性が高いことがわかった。しかし、石核が全て小型であることから、大型切削具を製作した可能性は低く、遺跡で出土した大型切削具は他の場所から持ち込んだようだ。また、狩猟や戦闘に用いる刺突具が少なく、日常生活で用いる切削具が多いことから、遺跡の性格を考える上で大変興味深い。今後は、さらに石器の顕微鏡分析による使用方法の特(13)図3 マウンド1断面図
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