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7先スペイン期アメリカ地中海の交流に関する考古学的研究2 研究の範囲2・1 研究の課題と対象本研究の対象とするアメリカ地中海は、地理学的にカリブ海とメキシコ湾からなる内水面域である。大陸側は、北米フロリダ半島からユカタン半島、ホンジュラス・ニカラグアからコスタリカの中央アメリカ地峡、南米のコロンビア、ベネズエラに至る。海洋側は、フロリダ半島の延長上にあるバハマ諸島、ユカタン半島からカリブ海を取り囲む大小アンティラス諸島からなる。その大きさは東西おおよそ四〇〇〇㎞、南北一〇〇〇㎞を測り、総面積は約四四〇万㎢におよぶ。これは約三〇〇万㎢の地中海よりも一回り大きな面積をもつ水域である。新大陸における最も古い人類の活動時期は、最終氷河期の終わり約一万三〇〇〇〜八五〇〇年前の北米大陸で発見されるクロ―ヴィス文化とされてきた。しかし、ここ二十年中米や南米でさらに古いとされる石器の報告などが続いている。おおよそ一万五〇〇〇年前という年代のこれらの評価については、太平洋岸移動モデル(Pacific Coast Migration Model)での説明が検討されている(Fladmark 1979)。これは、旧大陸から新大陸に通じる通路の問題、人類移動の有望なモデルであるマッケンジー川無氷回廊が、この時期まだ氷河におおわれていて人類の移動が困難という点を解決する案として評価されているが、まだまだ検討の余地がある。しかしながら、後氷期において、人類の新大陸北米から南米への拡散にとって中米地域が「道」であったことは間違いなく、また、双方のヒトとモノの交流の道であったと思われる。そして、この道は決して陸路だけではなく、海の道が重要な役割を果たしていたのではないだろうか。ただ、現時点ではこれらをテーマとした考古学調査はほとんど行われていない。そこで本研究では、アメリカ地中海における「海の道」を視点に、考古学資料を用いて「ヒトとモノの交流」の復元を試みる研究を進めている。2・2 自然環境北回帰線をはさんで広がるアメリカ地中海は熱帯降雨林から温帯乾燥地帯まで多様な自然環境がみられる。この環境に影響をあたえているのは、メキシコ湾流と貿易風である。2・2・1 メキシコ湾流北大西洋の亜熱帯循環の西端に形成される狭く強い海流で、黒潮と並ぶ世界最大の海流である。湾流幅は二〇〇㎞前後、厚さ二㎞、流量七四〇〇万〜九三〇〇万トン/秒、時速は九㎞に達する。その速さはミシシッピ川やアマゾン川をしのぎ、その水量ははこれらの川の一〇〇〇倍以上にも及ぶとされる。2・2・2 貿易風とハリケーンこの地域の多様な自然環境と植生をもたらす要素の一つは貿易風である。東からカリブに向かって強く流れる貿易風は、大西洋上で暖められた空気をカリブ海に運び、さらに暖かい海から蒸発する多量の水分は、カリブ海島嶼の高い山(たとえばジャマイカ島、ドミニカ島)にぶつかって東側に多量の雨を降らせることで熱帯雨林が広がる。一方、西側は乾燥する。また、平坦な地形を持つ島々においても雨が少ない。(8)

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