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5先スペイン期アメリカ地中海の交流に関する考古学的研究2 先スペイン期アメリカ地中海の交流に関する考古学的研究南   博 史1 研究の背景1・1 研究に至る経緯二〇一二年、 京都外国語大学ラテンアメリカ研究所(当時は、京都ラテンアメリカ研究所:以下、IELAKと略)は、 GLULAC(ラテンアメリカ諸国大使会議)と共同し、 京都外国語大学創立六十五周年記念国際シンポジウム「ラテンアメリカ地域統合への挑戦」を開催した。このシンポジウムでは ラテンアメリカ諸国が目標とする地域連合に向けたさまざまな課題が議論された(京都ラテンアメリカ研究所 二〇一二)。この成果を踏まえて、 IELAKでは今後研究を続けていくべきテーマとして、地理学的にカリブ海とメキシコ湾、北米大陸と南米大陸の間にある島嶼に囲まれた内水面「アメリカ地中海地域」を対象とした総合的学術研究を掲げた。この研究の大きな枠組みとしては、①スペイン侵入以前、いわゆる先住民文化の研究(考古学研究)、②植民地時代の研究(歴史学研究)、そして③現代社会の研究(社会学、人類学研究)を設けた。とくに①先住民文化を対象とした考古学研究を進めることは、「加盟各国の多様性を尊重しながら地域統合をはかる」に向け、先コロンブス期のラテンアメリカ・カリブ海地域の独自性と共通性を実証的に明らかにしていくことでもある。1・2 国際政治における価値と課題ニカラグア共和国大統領府国家政策担当秘書官ポール・オキスト氏は、二〇一四年五月五日日本プレスセンターにて、国の最重要課題である貧困からの脱出を掲げた太平洋と大西洋を結ぶニカラグア大運河計画『中米地峡地帯に第二の運河を―ニカラグアの挑戦―』の中で一〇%以上の成長が可能とした。当時、ニカラグアの一人当たりの名目GDPは一九〇〇ドル前後と当該地域においてハイチと並んで最貧民国に位置づけされている(辻 二〇一六、七五―九一頁)。隣国のコスタリカの一人当たりの名目GDPが一二、〇〇〇ドル前後であるので、その格差は大変大きく、この運河計画への政府の期待の大きさがわかる。一方、この計画には中国の間接的関与と開発にともなう環境破壊が当初から課題になった(辻 二〇一六、八二頁)。これは中米地域が太平洋と大西洋を結ぶ結節点として、国際政治上の重要性があらためて明らかになったといえる。さらに、運河開削に生じる環境問題、とくにカリブ海側の先住民などの非スペイン系でない住民の権利問題とも絡む問題でもあり、ニカラグアの政情不安などに結び付く懸念も広がった。現在、この運河計画は資金調達の問題から中断になっている。しかし、中米地域における中国のプレゼンスは通商関係を中心にますます大きくなるものと考えられる(遅野井 二〇一七)。考古学調査は現地の政治・社会・経済状況と密接に結びついている。多数の国が占有共有するアメリカ地中海における研究においては、社会学などの研究者との協働研究はもとより、現地研究機関、中央政府、地方自治体、コミュニティとの情報共有、協働が必要になってくる。(1)(2)(3)

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