4データ収集を行いました﹇調査報告は『紀要』(一四号)に掲載﹈が、この地域の人々の優しさや素朴さを身を以って感じたのは私だけではないでしょう。翌年には京都外国語大学の協定校であるニカラグア・カトリック大学の研究者との情報交換とともにカトリック大学が支援するボアコ県のティエラ・ヌエバ協同組合を訪問し、コーヒー、蜂蜜生産の現場を視察できました。マナグアの蒸し暑さを離れて高原の涼しさに一息ついたのを懐かしく思い出します。さらにニカラグア大西洋岸のブルーフィールズ市を訪問し、太平洋岸地域とはまったく異なる文化圏を体験できたことは研究の幅を広げる大きな刺激を受けました。研究成果は『紀要』(一六号)に掲載されました。IELAKでは現在、IELAK研究会が始動し、各研究員、客員研究員の研究成果を発展、検証していく作業を進めています。客員研究員である私も参加の有資格者ということになりますが、現役を離れている現状では、参加を躊躇しているところです。私の現在の研究対象は「戦前のラテンアメリカ研究」という戦前日本でラテンアメリカがいかに認識されていたかを当時の文献から探っていくものです﹇中間報告は『紀要』(一九号)に掲載﹈。研究会の対象地域が戦前の日本でどのように紹介されていたかというテーマでしたら何らかの貢献ができるのではないかと思います。IELAKの今後IELAKの今後ということでの私見ですが、研究・教育・交流の一層の充実を図っていくことに尽きるのではないかと思います。現在、研究所員が研究対象としている地域は米州関係、メキシコ、中米・カリブ、ブラジル、チリと広がっており、専門領域では歴史学、人類学、考古学、社会学、教育学等多岐にわたり、現在の大越翼所長(二〇一八年-)の下で多様な研究プロジェクトが可能な体制になっていると思います。ただラテンアメリカでの学生の活動を考えると、経済学の分野での強化が必要ではないかと考えます。また研究活動の基礎となる図書資料について分野を絞って収集するとともに既存資料の整理を地道に行っていくことも必要です。JCAS(地域研究コンソーシアム)は二〇〇四年に発足した地域研究の全国的組織で、IELAKは当初からのメンバーとなっていますが、IELAKが関西のラテンアメリカ研究の拠点であるという意味でとくに関西の他大学との研究連携を図っていくことも今後の課題になると思います。コロナ禍を乗り越え、創立四十周年を新たな出発点として更なるIELAKの発展を願ってやみません。(二〇二〇年九月二十日 記)参考文献平山一城『京都外国語大学森田嘉一(リーダーが紡ぐ私立大学史 ③)』悠光堂、二〇一九年
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