学校法人京都外国語大学 理事長・総長
学校法人京都外国語大学
理事長・総長
堀川 徹志 HORIKAWA Tetsushi
本学は1947年の創立以来、「言語を通して世界の平和を」という建学の精神のもとで、研究と教育に努めてきました。ひと口に平和といっても、第二次世界大戦(1939-1945)で疲弊しきって、長い間冷戦構造の中にあった時代の平和と、共存の時代といわれながら国家や民族の多様性が際立ちはじめた21世紀の平和は、かなり概念が異なります。
多様性を前提としたグローバル化が進展する中で、自国のアイデンティティーを失わず、それでいて民族主義に陥ることもない、まさに世界人の立場で世界平和に貢献できる人材の養成、これこそ京都外国語大学がめざすところで、国際貢献は本学の研究・教育の大前提です。
異文化は相違点が存在することを前提にしているようですが、実は類似点を見つける視点も大切です。慣習や言語発想、自然観などに思いがけない類似点を見つけながら、異文化を謙虚に学ぶのです。そうすれば親近感も芽生え、相手の文化を受容する姿勢を養うことができます。それには外国語の修得が近道です。ドイツの文豪ゲーテは、「外国語の学習は別世界の探検」と言っています。また南アフリカのかつての政治指導者ネルソン・マンデラの言葉はこうです。「相手が理解できる言葉で語りかければ、それは相手の頭に届く。相手の母語で語りかければ、それは相手の心に届く」と。
外国語を通して世界を眺めることは、結局、自分自身を深く見つめ、偏った先入観を正すことにつながります。外国語学習は実用的であると同時に教養的でもあるのです。ただ、それには母語の研究も大事であることを忘れないでください。国際貢献をめざす意欲的なあなたの入学を期待しています。
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