Mebius Strip (34)

is, are, am なのに何でBe動詞?
 「英語で最初に習った動詞は何ですか?」と尋ねられてどう答えますか? 僕などの時代だとやはりbe動詞です。でも、おかしいですよね、be動詞って。だって、最初中学校で習うのはis, am, areなわけで、どこにもbe動詞という名にふさわしいスペリングは出てこないわけです。にもかかわらず、be動詞と習います。助動詞を習って初めてbe動詞が出てきますよね。たとえば、He must be John.のような文です。
 それに、主語がIの時はam、youの時はare、he, she, itの時はis、なんて、いちいち主語に応じてスペリングが全く変わってしまうのもこのbe動詞だけですよね。こりゃ、誰でも疑問に思いますよね。
 この疑問の答えは、英語を1000年以上さかのぼり、古英語(Old English)という8世紀あたりのようすをみるとわかります。この時代のbe動詞には、単数の1、2、3人称に対して、eom, eart, isのパターンとbeo, bist, bipのパターンの2つがありました。ドイツ語を勉強している人はすぐに「あっ、ドイツ語と同じだ」と気づくでしょう。複数形になると、現代ドイツ語と同じsind, sindonとbeopという2つのパターンがありました。したがって、英語のbe動詞は3種類の異なる起源を持つ動詞の寄せ集めだということがわかります。
 寄せ集めなら、不規則的なのは当然です。この話はgoの過去形がwentだという奇妙さに通じるものがあります。goの過去形がwentだ、というのも本当に奇妙ですよね。いくら不規則変化動詞だといっても、あまりにかけ離れていすぎます。これもwendというgoと同じ意味の動詞があり、goの過去形goed/godeと入り交じってしまい、現代英語ではgo-wentという変化形になっているのです。
 このように、異なる起源の語が寄せ集まり、その中で選択が行われると、きわめて不自然な不規則体系ができあがるわけです。このようなことは英語の他の部分においても数多く起こりました。また別の機会に。

(T.O.)